初!鷲頭山 23年1/21-22
温故知新。
古きをたずねて新しきを知る。
この国のフリークライミングの黎明期、初めて“5.12”のグレードがつけられたルート、“ジェット”。
初登は1984年の1月らしい。ちょうど40年前。
それを知って登ってみたくなった。いにしえのクライマーが感じたことを、私も少しだけでも、断片でもいいので感じてみたい!
そんなわけで“ジェット”のある伊豆・鷲頭山へ!
お付き合いいただいたのは秀さんとI根くん。
土曜日の夜中に出発して岩場に9時到着。
早速“マンボウ5.10a”でアップ。MOSできたが、出だしから気持ち悪く、ちょっと危なかった。
もう一本アップで“ETハング5.11a”。こちらは人気課題なのかホールドが分かりやすくて登りやすかった。楽しいルート。MOS。
さて、いよいよ“ジェット5.12a”にトライ。(オンサイトしたる!)と内心思っていたけど、3ピン目であえなくフォール。
なんとなくムーブとホールドを決めながらヌンチャクを掛けたけど、(スラブ難しい…)心の中ではかなり後悔していた(やっぱり城ヶ崎にしとけば良かった…)
ジムで一週間「垂壁強化週間」とかバランシーな課題ばっかり登ってたけど所詮付け焼き刃。
先人恐るべし。2便目も核心でフォール。上部の核心もムーブ変えた。
久しぶりのカチ持ち連続で指が痛い。時間的にも何便も出せない。次の便で決めたい。決めないと…という感情はやはりマイナス。気負い過ぎて早々にフォール。指温存のためにすぐに降りる。
夕刻。他の二人はもうクライミング終了。私のラストトライ。
出だしからちょっとおかしい。指の疲労で距離が出にくい。危うくフォールしそうになった。
でも逆になんだか吹っ切れた。大事に慎重に、は捨てて大胆に攻める。核心は本当に落ちたかと思ったが不思議と耐えていた。
でかいアンダーでレスト。ここから上部。少し進んで上部核心。さっき変えたムーブがはまり突破。(やった!)後は簡単。
ふう、と息を吐き、左を向くと夕暮れの海が見えた。すごく綺麗だった。なぜか不意に涙が出そうになった。
今回の遠征も休みの調整やパートナーの確保、宿の手配やら車の手配。他様々な調整。秀さんが参加してくれたらとても助かる。ほとんどのことは解決する。
普段はそんなことは思わない。むしろ楽しんでさえいるのに何故かこの時、急に(大変だったな)という思考が巡った。
たぶん、こういうことは、純粋に“5.12aのルートを登る”ことよりも大変なのかもしれない。いや、私の場合(他の人も?)こういうことも全部ひっくるめて“5.12aのRP”なのだろう。
ごちゃごちゃいろいろ考えてしまったが、さっさと登ってメシ行こう、と切り替える。が、しかし。なんということ、さっきまでの思い切りはどこへやら、急に大事に慎重に思考に変わり、しかも思っている以上に指と足が疲労していてなかなか進めない。
カンタンな箇所のはずが(落ちたくない)の気持ちが強すぎ、這々の体でようやく終了点。先人の苦労が少しだけ味わえたような気がした。いや〜疲れた…
クライミングを終え、やたら陽気なおばさんのいる宿で宿泊。3人で少し宴会。秀さんもI根くんもイレブンが登れて上機嫌。
翌日は8時に岩場へ。土曜日は我々の他は2パーティだけだったが、この日はかなり混雑していた。
前日の“マンボウ”が気持ち悪かったので、アップルート(グレード?)でアップを済ます。
秀さんが“ギヴ・マインド・トゥ5.11a”にトライというので私もやってみる。が、これが難しく、2ピン目で早々にテンション。その上も難しい上に最上部は超ランナウト。11cくらいでは…?
ちなみに秀さんはこの後ギヴマインドトゥを見事RPしていた。すごい!
さて、私はこの日の目標“コズミックダンサー5.12a”へ。
下部4ピン目までは前日の“ジェット”と同じ。ジェットはそこから右上するが、コズミックダンサーは直上する。
相変わらず核心は難しく、フォールしかけた。アブネ…。上部のオンサイト部分も細かく難しかったけどなんとか落ちずに登りきれた。1便目でRP!(さすがにオンサイトとは言えない)
次に“スーパージェット5.12a”。こちらは上部がジェットと同じ、下部を右カンテを使って登るルート。
こちらは1便では登れず2便かかったけど、無事にRP!
昨日の朝はスラブが難しくてあまり楽しくなかったのに、いつの間にか楽しくなってた。時間の経つのも早い。もうラストトライ。I根くんがRPした“ETハングダイレクト5.11c”をやってみる。
核心までは前日のETハングと同じ。ハング部を直上が核心。最後の1手まで迫ったがあえなくフォール!有終の美を飾ることはできなかった。でも大満足の2日間だった。
今回も車を出していただいた秀さんにはすごくお世話になりました。感謝。I根くんもいろいろ気を遣ってくれた。ありがとう。
本当に楽しい2日間だった。また行きましょう!
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