夏真っ盛り。帝釈・第一道場へ。
8時過ぎ岩場に到着。既に暑い。灼熱。汗まみれ。おまけにアプローチがぬかるんでいたため泥だらけ。もうここに来たことだけでも誰かに褒めてもらいたい。
オフシーズンの真夏に、しかも日当たり良好のこの岩場に来る奴はかなり酔狂らしく終日貸し切りだった。
それでも気を取り直し、レッツ・クライミング。
お目当ては一ヶ月前にトライして登れなかった“バラクーダ5.12a”。
アップで“ケロケロ5.11a”を登る。前回フォールしたが、今回は無事RP。

バラクーダの1便目は最初の核心で早くもフォール。
やはり忘れてしまっているので、テンテンでムーブとホールドを確認しながら終了点へ。
クソ暑い。汗だくだ。

2便目は核心中程でフォール。ガバでレストするが手が滑ってレストにならない。余計にヨレる。

3便目は昼過ぎ。ちょうど雲に太陽が隠れて幾分涼しい。
ちょっと気分を変えてシューズをキメラからドラゴンに履き替える。久しぶりに履くドラゴンはやはり痛い。
下部をこなして核心前に大レスト。
ビレイヤーに声を掛け、核心へ突っ込む。最初の核心は無難にこなし、少しトラバースしてガバ。
さっきは滑ったが、今回はマシ。曇ってるせいか?
核心の数手。うまくつながり、棚をホールド。クリップ。ここまでノーテンできたのは初めてである。
棚に上がってレスト。
さて。
実は登る前、この便の目標を棚までノーテンで登ること、と決めていた。その目標は達成できた。しかし勿論、RPの可能性があるので、この先も頑張るのだが、ここから終了点までテンションを掛けずに登れたことはまだ一度もない。
核心ほどではないけど、結構難しい。いや、難しいというよりしんどい。パートナーと上部も何度かおさらいして自動化しとかんとなあ、と話してたところだ。
たぶん墜ちるやろな、イヤイヤ、そんな弱気はイカン、レストしながらそんな考えが頭を巡る。
ビレイヤーに声を掛け、いざ。一手一手が遠い。パワフルムーブが続く。しかし登っているうちにスイッチが入った。最近ごぶさただった脳内麻薬のスイッチ。
(この便で絶対、終わらせる)
必死で登る。汗をまき散らし、滑るホールドを力いっぱい握りしめる。
暑さは忘れた。腕はパンパン。頭は真っ白。
やっとこさ、終了点。やった!登れた?ホントに!?

我ながらよく頑張りました。
正直まだ10便くらいかかりそう、RPは涼しくなってからかな、と思ってた。
この日の3便目、前回と合わせて計11便目でのRP。
なにもこんな暑い時にトライしなくても、とも思うけど、こんな時に苦労して登れたから嬉しさもひとしお。
バラクーダの後は“いただきます5.11a”にトライ。無事、MOS。
降りながら隣の“アナコンダ5.12b”にヌンチャクを掛けたところで初日のクライミングは終了。
17時半、撤収。

汗だくだったのでお風呂が本当に気持ち良かった。
翌日も第一道場。8時前に到着。
ちなみにこの日も灼熱で、そしてやはり貸し切りだった。
狙いは“アナコンダ5.12b”。

結果を言うと、4便出して登れず。核心ムーブも解読できずじまい。

炎天下のクライミングは体力の消耗が激しい。カラダもヤられるが、アタマもヤられる。
頭がぼーっとしてきて、あれこれ考えられなくなる。
普段ならフォールしたらハングドッグして色々試したりするが、そういうことが面倒になるのである。
頭がボケてなんかもうどうでもよくなり、まあええか、わははー…と、そんな感じ。
夕方には暑さもやわらぎ、幾分登りやすくなったが、その頃には体がボロボロ。
18時撤収。谷底からよじ登るアプローチはほんとにしんどかった。


帰りは少し遠回りして台湾料理店へ。裏切らない味とコスパ。
前回も暑かったが、今回も暑かった。こんな中付き合ってくれたパートナーには本当に感謝。ありがとう!