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2018年1月の7件の記事

2018年1月30日 (火)

“ウリウリ”を登って~“スポーツ”と“冒険”の間。

今年に入って不動岩東稜にある“ウリウリ5.11d”というルートにトライし始め、先日ようやくRPできた。
このルートにトライしていて、いろいろ感じたことがあるので、書いてみようと思う。

“ウリウリ”に関するウワサは、とにかく良くない。恐らく、過去の事故の影響が少なからずあるのだろう。
昔はよく登られていたルートだったようで、人気ルート100の7位に選ばれたりしたようだが、最近はあまりトライしている人はいないようだ。
私もトライは今になってようやく、である。まあぶっちゃけ、RPできそうな課題が近所になくなったんで、やってみっか、てな具合だった。
丁度今回のパートナーも同じ思いだったみたいで、タイミング的にはラッキーだった。

やってみて分かったのだが、まずピン間隔が遠い。そして要所にも関わらずプロテクションがハーケンだったりする。
上部に核心があり、その手前のプロテクションがハーケン。次のプロテクションはボルトだが、クリップ体勢がバランシーで非常に怖い。クリップ時、(もし墜ちたら…前のピンはハーケンやし…)なんて思いが脳裏をよぎり、また、目の前でヌンチャクがプラプラ揺れとるもんやから、クリップできずにヌンチャクを掴んでしまう、なんてこともあった。

さて、誘惑に負けないで無事クリップできても、その後に核心ムーブが待っている。
パートナーはムーブをこなした後、上のカチを保持してからクリップしていたが、私はムーブの途中で、下からクリップすることを選んだ。その時の左足はスメアで、(ああ、滑ったらどーしよー)と思いながらのクリップになる。勿論、A0(ヌンチャク掴み)の誘惑も健在だ。
じゃあ核心後にクリップすればええやんか、と思うかもしれない。実は最初は私もそうだった。が、確か5便目でそのクリップ時に手繰り落ちし、左腕をしこたまぶつけて酷い打撲傷を負ったのである。それ以来、怖くなって下からクリップに変更したのである。

さてさて、無事クリップし、核心ムーブをこなした後も、まだ楽はできない。そんなに持ちやすくないホールドでの数手。そしてプロテクションは再びハーケン(リングボルトやったかな?)である。
今のフリークライミングの感覚だと、ハーケンしかないとこ=滅多に落ちないとこ=簡単に登れるとこ、である。ので、最初はガバを探しまくった。でもなかった。
ひょっとしたら我々の見つけられなかった“秘密のミラクルガバ”的なホールドが存在するのかもしれない。
厄介な数手をこなすと、ようやくガバ。ここのプロテクションもハーケンだが、この上はガバだけなので大丈夫。実質終了で、少し登ると終了点である。


現在、“フリークライミング”という言葉は、ほぼ、“スポートクライミング”と同義で使われているように思われる。言い回しは色々あるけど、要は“フリー”は“スポーツ”で安全だ、と、(極論になるけど)そういう風潮である。
リードできるジムが増え、ジムからフリークライミングを始める人も多いと思う。私もそうだ。
また、最近開拓された岩場は、昔からの岩場に比べてピン間隔が短く、だいぶ安全に配慮されているように思える。
数年前に、Hさんが開拓されたT市の某岩場はジム並みのピン間隔で、本当に有難い。
会の初心者練習でよく使わせていただいている。

しかし、忘れてはいけない。フリークライミングは元々スポーツではない。
アブミ等の登攀器具を使わないで、己の体だけで登るクライミングのことである。
元来アルパインクライミングから移行してきたことを思えば、“冒険的要素”があって当たり前、だと考えられる。

冒険的要素が強いルートとして、私が真っ先に思い当たるのが、駒形岩の“斜陽5.9”である。
以前、斜陽をトライして怪我をする人が多いことから、ピンを打ち足す話があったように思う。
私も骨折した方1人、捻挫した方1人を見たことがあるので、打ち足すのに賛成だった。
しかし、結局ピンは打ち足されることはなかった。私は
この現状維持の考えにも賛成である。
なんやねんチョリオ、“コウモリ”みたいなヤツやな、と思われるやろうけど、実際私はどちらの考えも正しい、と思う。
怪我人が出るのは困るし、5.9やねんからもうちょい安全にしたろ、という考えは正しいと思うし、ちゃんと考えて登ればそこが危ないというのはすぐ気付くし、そもそも5.9が簡単だと思い込むのが間違いだ、という考えも正しいと思うのである。


ずいぶん脱線してしまった。“ウリウリ”の話だった。
上記の通り、ウリウリは現在のフリールートとは異なる冒険的要素の強い課題なのだが、その極めつけが出だしにある。
現在は工業用(?)ボルトが2ピン打ち足され、かなり安全になっているが、本来の1ピン目は今の3ピン目、非常に高い位置にある。
今の感覚だったら、これほど高い位置に1ピン目があるのは、かなり簡単に登れるから、と考えてしまうが、なかなかバランシーでクリップ体勢もビミョーである。
もしクリップミスをして墜ちれば、ビレイヤー位置で0ピンを取っていたとしてもかなりの大怪我、死んでもおかしくない。
昔のクライマーはこれをこなしていたのか、と思うとその強心臓ぶりには全く感服する。
正直に言うと、RPした直後の今現在なら、100回の内99回、大丈夫だと思う。それぐらいの自信はある。
しかし、言い換えれば、100回に1回は死ぬかもしれないのである。当に命がけ、冒険、である。


今時、命がけなんて流行らない。と思う。しかし、フリーソロというスタイルもある。
半年程前に、アレックス・ホノルドによってヨセミテの5.12d(だったか?)のルートがフリーソロで登られた、と話題になり、絶賛されていた。もしこれが普通にロープを結んでのクライミングなら、話題にならなかったと思う。
また、ボルダリングでも、ノーマットでのトライにこだわる人がいると聞く。

つまるところ、クライミングはやっぱり“自己満足”なんやな、と思う。
もちろん、他人の評価を第一義と考えている人もいるだろう。そのために、ほんとは登れてないのに、登れた!とウソをつく人もいるらしい。しかし、自分は騙せないし、そんなことして楽しいのか、と思ってしまう。
イヤ、そんなことを書くんじゃなかった、そうそう、自己満足。
このスタイルで登ってみたいから登る。
別に他人にどうこう言われるのではなく、自分がやってみたいから。

マスターにこだわる人もいるだろうし、チョンボ棒を使ってでも登りたい、という人もいる。
ハングドッグは潔くないという考えの人もいるだろうし、一時間ぶら下がって壁を触りまくってる人もいる。

私は、どれも間違いではないと思う。(混んでる時の壁の独占は良くないが)
自分のやりたい、登りたいスタイルで登れば、それでいいと思う。
その、色んなスタイルがある、というのが、クライミングの魅力の一つだと思う。
RPできたら、今度はマスタースタイルでトライ。次はあのガバを使わない、限定で、という風に。

おおらかな考え方やと、道楽でやっているんだから、楽しかったらそれでええんちゃうん、と。
もちろん、プロのクライマーはそれではアカンやろうし、ルールやマナーは守るべきである。

今回、ウリウリをトライして、先達のクライマーの息吹を少し感じることができたと思う。
楽しかった。いいルートだな、と思えた。
“タイコ”や“ワンマンショー”もいいルートだ。
ますます不動岩が好きになった。


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なんか書きたいことが多くて、まとまりのない文章になってしまった…ごめんなさい。

2018年1月27日 (土)

“ウリウリ5.11d”RP 不動岩 18年1/27

強い寒波の中。
大阪はピーカンだったので大丈夫やろ、と気楽に考えてたが甘かった。
電車が西へ進むにつれ、雪が降りだし、強くなっていく。
道場駅は、すっかり雪景色、吹雪っぽい。
この時期賑わう駅前だが、今日は我々以外3人だけ。その方々はアイゼントレとのこと。

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家の近所の池が凍ってた。

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クライミングというより雪山登山やな。

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急登でコケそうなりながら、なんとか正面壁到着。びしゃびしゃで登れそうにない。

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-2℃。寒い。

正面壁の隣のビッグボルダーがなんとか登れそうなんで、そこで遊ぶ。

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“イカサマ師5.11c”を触るもまったくダメ。つーか岩が冷たくて指がちぎれそう。

昼頃、ようやく雪が止み、日がさしてきたので東稜へ移動。
東稜は暖かく、壁もどんどん乾いていく。

狙いは“ウリウリ5.11d”。ところどころ濡れていて怖かったけど、なんとかヌンチャクを掛ける。
続く2便目、またも雪が降りだし、濡れたカチで滑ってフォール。
3便目。いつになくスムーズに核心を抜け、あとは実質終了のガバを取るだけ、というところでフォール。

うお~!悔しい!悔し過ぎる‼…でも仕方ない、また次回、と回収しようとしたら、パートナーより「もう1便、だしたら?」との有難い言葉。

時間は3時半、30分レスト。
待ってる間は小雪が舞い、気温が下がってきて、かなり寒い。
しかし、弱気は禁物、特にこのウリウリは。

ラストトライ、出だしのフェースで間違え、核心手前でも間違えた。
しかし、今までで一番気合が乗っている。
(絶対、登る)
やっぱりオレにはこれしかない。
気持ちで登る「ド根性クライミング」。

怖いクリップを(怖くない)と自分に言いきかせてクリア。核心ムーブをこなし、さっき墜ちた個所はことさら丁寧に。
右手でガバを掴む。
息を思いきり吸い込んで、吐く。少し振り返る。夕景。
いつの間にか西陽が射し、川の水面がオレンジ色に輝いている。やかましい工事は終わっていて静かだ。
壁に向き直り、慎重にガバを拾い、数手で終了点。

「やった~!登れた~!」

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“ウリウリ5.11d”。計4日・12便目でのRP。

実はパートナーは、今日の2便目で先にRP。
同じ日にRPできて良かった。

ウリウリのトライは楽しかった。最初は怖くて楽しめなかったけど。
最近はトライする人も少ないようだけど、間違いなく“名ルート”だと思う。いろいろ勉強もさせてもらった。

ただ、少し残念だったのは、前回は出だしをカムを使って登ったのだが、今回はクラックが濡れていて、後付けのボルトを使ったこと。
ま、でもしゃあない、初めはRPどころかトライもあやしかったし。
それはまた次回、やな。

2018年1月20日 (土)

不動岩 18年1/20

ダメだ~、登れん!
本日も不動岩東壁にて“ウリウリ”トライ。

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前回、核心越えたとこまで登れ、実質後4手で終わりなので、当然今回はRPする気だった。
が、核心前のクリップでよれ、次のクリップでもよれ、全然登れない。
前回は先にクリップしてたし、テンションかけてレストしてたので登れたのだ。
もう、むしろ核心越えたとこからがスタートと言ってもいいかもしれない。
それでも恐怖に耐え、ぶら下がるヌンチャクA0の誘惑に耐えてクリップし、カチを保持できず潔くフォールしたのだから、ヨシとしよう。

RPはまだかかりそうだ。核心後の最上部も、ムーブを変えた方がいいかもしれない。
なんにせよ、当分楽しめそうである。

2018年1月15日 (月)

垂壁の思い出ルート。

先月、グラビなんばの垂壁にあった、お気に入りルートがなくなった。
11cと11d。どちらも垂壁の課題らしくバランシーで難しく、RPまで10便以上かかったと思う。

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私はカブリ壁が苦手だが、スラブや垂壁も得意とは言えない。
股関節(だけではないが)が硬く、壁から離れてしまい、指への負担が大きくなるのである。

そしてやはり、ジムでは垂壁はあまり人気がない。
垂壁には初心者が多く、よって高グレード課題はあまり触られてなかったように思う。

ではなぜ私が垂壁にこだわるのか。
答えはカンタン、それは近場の岩場の殆どが垂壁以下だからである。
最寄りの岩場が鳳来や城山なら、そうならなかったかもしれない。

外岩に行く前は、必ず前述の2課題をトライした。
登れることもあれば、登れない時もあった。
しかし、悪い足置きや薄いカチを感じることにより、外岩へとつながっていく気がしたのである。

古い課題がなくなって、今は新しい課題ができている。
とてもいいことだが、新しい課題は、ちょっと物足りないなぁ…

2018年1月14日 (日)

スカルパ キメラのこと。

一月前に購入した新しいクライミングシューズ、スカルパの“キメラ”。
かなり気に入っている。
ずっとファイブテンの“ドラゴン”を使っていたのだが、今では外岩もジムもキメラで登っている。
そもそもジムと外岩でシューズを変えることも、あまりないのだが。

別にドラゴンに不満があったわけではない。
気になる点としては、シャンクが柔らかいためか、ソールの減り具合によって特徴が大きく変わってしまう点。
新品時やリソール時にはエッジングシューズみたいなのだが、ソールが減るとぐにゃぐにゃになり、エッジングどころではなくなる。
あと、造りがちゃちく、リソールも一度しかできない。

といってもドラゴンは大好きなシューズで、靴のせいで登れなかった、ということは一度もない。

ではなんでキメラを買ったのか。
なんとなく、である。

秋頃、ドラゴンのリソールが気になりはじめた(しかも2足同時に)ということもある。
なんとなく、最近モチベーションが上がらない、ということもあるかもしれない。

新しいシューズが欲しいな、と思っても経済的に余裕のない私は、ネットの情報やカタログを眺めてはあーだこーだと夢想するしかない。
大きな声では言えないが、買いもできないのに試し履きも結構した。

ようやくお金が貯まり、丁度シューズを3足連続でリソールに送り込んだタイミングでキメラを購入できた。
ターンイン・ダウントゥが強めということだが、ドラゴンをずっと履いている私には丁度いい感じ。
サイズ感もいい感じで、適度(かなり?)な締めつけ具合が、(登りたい)と思わせてくれる。
これだけでも、この靴を買った甲斐があったと思う。

よく見るクライミングシューズのレビューではヒールとトーのフックの掛かり具合がどうの、とあるが、殆ど使わない私にはぶっちゃけどうでもいい。
もし、そういうのを期待してこの記事を読んでいる方には申し訳ない。
爪先やかかとのデカいゴムは私にはムダなので、リソール時にどうぞ使ってください、というのが本音である。


さて。
少し長くクライミングをしてきた。
気づいているけど、あまり考えないようにしていることを、この際書いてしまおう。

私が登っている程度のグレードで、靴の性能が云々というのは、殆どの場合、笑止である。
登れない理由の殆どは、靴ではなく、技術にある。
現に岩場に行けば、ヘタヘタになったスパイアやモカシムでヒョイヒョイ登る強者を幾人も目にすることができる。
私も、先月登れた12cはブカブカのブラックウィングだったし、去年あれほど苦労したワンマンショーの下部スラブもブカブカのシューズ(しかも冬物の厚い靴下を履いて)登れたのである。

じゃ、なんでアンタは靴にこだわるのか?と訊かれると、それはやはりヘタだから、なのである。
靴の性能を引き出せているのか、とか、ステルスソールだから滑らない、とか正直よくわからない。
ただ、(この靴なら大丈夫)と思える靴でないと、あまり登る気にならないし、(この靴で墜ちたらしょうがない)と思えるくらいでないと、体重をあずけられないのである。
そしてそういう靴は、自分がこだわったものでないといけないのである。

まったく、へたくそは世話がかかるものである。

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1ヶ月使ったスカルパキメラ。今のところ文句ナシ。

2018年1月13日 (土)

不動岩 18年1/13

不動岩東壁へ。狙いは“ウリウリ5.11d”。
午後からは陰るので、早めに行ったが寒すぎ。
アップのミート&ポテトがアップにならなかった。

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-4度。

しかし、しばらくすると暖かくなってきた。
気を取り直してウリウリへ。

やはりあまり覚えてなかったけど、2便出してRP狙えるかな?くらいにはなった。
3便目。最上部の核心を越えて、(お?いけるで?)なんて思いが出たら、フォール。
しかもたぐり落ちだったんで、結構落ち、左腕をぶつけた。
ビレイヤーにも申し訳ないことをした。

腕も痛いし、時間も16時と中途半端だったので、今回はここまで。また次回以降、やな。

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先ほど帰宅し、ぶつけたとこを見てみた。けっこうヒドイな。

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でも打撲だけで済んだのは幸い。ビレイヤーに感謝。
この後の風呂は覚悟してたが拷問やった。

2018年1月10日 (水)

城山 18年1/6~7

“ドロンパ5.12a”が登れなかった。非常に悔しい。

年明けの3日に不動岩で初登り、で腰を痛めた。
3日経って6日、杖なしで歩けるようになった。
城山行きは谷やんとショーンくん。
“ドロンパ”にトライするかはだいぶ悩んだけど、とりあえず触ってみて決めることにした。
悪いホールドがないので登れそう、と思ったのが運のつき、結局2日間で10便出して完登できずだった。
お土産は慰みに触った11a二本のみ。前回とは逆の苦い城山行となった。

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悔しい思いはしたが、いい勉強にもなった。
次な、次!

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