おいちゃんの思い出。
一昨年の夏だったか。
私は長野の伊那にある親戚のおいちゃんのお宅にお邪魔していた。
庭に出て、とある木の葉を見ていると、いつの間にか後ろにいたおいちゃんが、「それはヒイラギだよ」と教えてくれた。
その葉はトゲがなく、丸い葉だったので、(ん?これがヒイラギ?)と首を傾げていると、「ヒイラギはね、歳をとるとトゲがなくなるんだよ」とまた教えてくれた。
「でも若い葉にはトゲがあるよ」というので、上の方の葉を見てみると、なるほど、見覚えのあるヒイラギの葉だった。
(ほー、そうだったのか)と木のあちこちの葉を観察しながらしきりに感心していると、おいちゃんは「人もね、まあそういうもんだ」と、呟くようにおっしゃった。
(え?)とおいちゃんの方に向くと、おいちゃんはいつもの穏やかな笑顔を浮かべて玄関の方へと歩きはじめているところだった。
今年の夏、久しぶりにおいちゃんのお宅に伺った。
おいちゃんは今年の正月に亡くなり、今回は初盆ということでお邪魔した。
庭に出て、あのヒイラギの木を探したがなくなっていた。枯れてしまったのだろうか。
親戚といっても縁遠い私にも、温かく接してくれたおいちゃん。あのヒイラギの葉のように丸い、穏和な方だった。今となっては懐かしい思い出である。
おいちゃんのお宅には古い物がたくさんあり、ちょっとした博物館みたいである。
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チョリオさん、ご無沙汰しております。
クライミング以外の記事も実は楽しみにしております。しかし、おいちゃんのお宅はなんだか凄そうですね^ ^
投稿: かめ | 2017年8月27日 (日) 05時53分
かめさん、ご贔屓いただき、ありがとうございます!
おいちゃん宅、すごいですよ!ほんでもって伊那は中央アルプスと南アルプスに挟まれた、山好きにはタマランとこですわ。
投稿: チョリオ | 2017年8月28日 (月) 11時34分