“友人登路 4p 5.11b”“上昇気流 5p 5.11b”雪彦山 16年10/22・23
借りを返す時がきた。
前回、約半年前の雪彦山。コテンパンやった。
http://cholio.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/4p-511b-1ca7.html
この週のジムは12aのトライはなるべく控え(何回かはしたけど)、主に正面壁右端の11cオレンジを何度もやった。
この課題は足が悪いので、外岩垂壁のトレーニングにちょうどいい。
2本目は、その裏にある垂壁の11ab緑。これも最後だけだが、足が極端に悪い。
靴もどれにするか、ギリギリまで悩んだ。
結局、一番の“本気”シューズ、ドラゴンにした。
マルチピッチでこの靴は初めてだ。
さて、今回のパートナーも、勿論たにやん。快く引き受けてくれた。
それに、秀さん、F原さん、ひじりん、みゆさんも加わった。
こちらの4人は、地蔵岳東稜と右カンテルートを登攀。
22日、9時過ぎに東屋に到着、準備。
アプローチ。東稜チームと分かれる。
10時過ぎ、“友人登路”取り付きに到着。
先行パーティーが人工で登っていくのを見学。
次は我々の番だ。
三峰南東壁“友人登路 4p 5.11b”。
前回は間違えて違うルートに取り付いてしまった、因縁の(?)ルート。
1ピッチ目、5.11b 30m。
初っ端から核心、11b。当然、オンサイト狙いで気合を入れて挑む。
ホールドを探りながら登っていく。
3ピン目、掛かりは悪くないが、向きが良くないホールド、マッチしようとしてバランスを崩し、敢えなくフォール。
オンサイト失敗。悔しい…
ハングドッグして、暫らくムーブを探り、そのままトップアウト。
荷物を引き上げた後、ロワーダウンで降りる。
2便目。
マルチでは通常、2便目とかはないのだが、1ピッチ目だからできる。
実はたにやんには、こっそりと、「3回くらいチャレンジしてええかな?」とお願いしていた。
さっきはなんともなかった出だしに手間取り、ちょっとパンプしてしまった。
そのまま核心へ。屁が出た。号砲一発。
その勢いに乗って(?)マッチに成功、核心をクリアできた。
その後は慎重に登り、無事RP。
屁に関して後に、たにやんは「笑った方がええんか困りました」とコメントしていた。
2ピッチ目、Ⅳ+ 20m。
たにやんリード。危なげなくOS。
2P目登攀直後のたにやん。
3P目、5.10b 22m。
友人登路オリジナルの核心ピッチ。チョリオリード。
10bだけど、結構難しいとの情報だったが、探せばいいホールドがあり、順調に高度を稼ぐ。
が、突如いいホールドがなくなる。左へ行ったり、右へ行ったり…
結局、悪いホールドでクリア。後は慎重に終了点へ。無事OS。
ちょっと危なかった、噂は真実だった。
内心このピッチ、たにやんはテンション掛けるやろな、思っていたが、ノーテンで登ってきた。
本当、強くなった。よしよし。
3P目登攀後の私。
今回のシューズ(ドラゴン)とザック。
4P目、Ⅳ 45m。
たにやんリード。本人は怖かったと言っていたが、下から見ている分には問題なし。OS。
長い分ちょっとしんどかったのと、岩が剥がれそうなのが多かった。
4P目の最後、もうすぐ終わり。
15時、三峰頂上に到着。
頂上からは登ってきたルートを懸垂3回で取り付きまで降りた。
“友人登路”の取り付きに戻り、改めて1ピッチ目を見上げる。
なんだかもう、懐かしい感じがした。
オンサイトはできなかったけど、なんとかフリーで登ることができた。
楽しかった。
岩に向かって、心の中で(ありがとう)と言って、その場を後にした。
“友人登路”1ピッチ目。
16時半、東屋に戻ると、東稜チームは既に戻っていた。
テントを立てておいて、雪彦温泉へ。
その後いつも行くラーメン店で夕食を済ませ、テントに戻って宴会。
翌23日、6時半起床。
地蔵岳正面壁“上昇気流 5p 5.11b”
この日挑むルートだ。
秀さん-ひじりん、F原さん-みゆさんも、同じく正面壁の右カンテを登るので、一緒に取り付きまで行く。
1ピッチ目、5.10b 28m。
先陣を切って、まず私が登る。
前回ビショ濡れでも登れたのだから楽勝だろう、と思っていたが、案外登りにくい。
それに風が強く、ちょっと、いや、だいぶ寒い。
無事終了点へ、再RP。
たにやんもノーテンションで登ってきた。
上昇気流1ピッチ目を登る私。(みゆさん写)
フォローのたにやん。(みゆさん写)
1P目終了点より。
2ピッチ目、5.10b 22m。
たにやんのリード。前回はフォローでA0だったらしいが、今回はフリーで登れ、RP。
私も続いてフォローで登る。
それにしても寒い。指がかじかむ。体がこわばる。
ぎっくり腰になったらどうしよう、とイヤな考えが頭をよぎる。
右カンテ登攀のひじりん。
3ピッチ目、5.11b 25m。
いよいよ核心ピッチ。寒いとか言ってられない。
気合を入れて挑む。
1ピン、2ピン、3ピン、までは順調。
しかしここで詰まった。
上に良さそうなカチが見えるが、届かない。
登ったり降りたり、左へ行ったり右へ行ったりを繰り返す。
腕がだいぶパンプしてきた。
右側、腰の辺りに良さそうなスタンスがある。これに右足を乗せればカチに届きそう。
右手左手、向きの悪いホールド、左足スメア。
いざ、声をあげ、突っ込む!
…フォール。
スメアの左足が切れてしまった。
しばらく白い空を見上げてボーっとする。
悔しい…。
しかし、なにか清々しい気分でもあった。
逃げることはしなかった。
恐れずに挑むことができた。
パンプしていく中で、ムーブを考え、思い切り試し、そして潔く墜ちた。
深呼吸を2度入れて、もう一度やってみる。
またフォール。ぶらさがって壁を見ると、右側に指1本が入るポケットがあった。
(あ、これがあれば…)
もちろん、指1本で引付けとかはできないけど、これでバランスを取ると、右足をスタンスに上げることができた。
(このポケット、早く見つけられたらなぁ…)
再び悔しさがよみがえる。
しかし、ホールドを見つけるのも実力。
まだまだ実力不足、ということだ。
その上も結構いやらしかったが、なんとか登り切り、終了点。
たにやんは、一度トライして無理だと思ったらしく、ゴボウに変更。
しかしそのゴボウ登りの早いこと。
恐らく私に難しいルートに付き合わされているうちに身に付いたのだろう。
ますます頼もしい。
右カンテルートの秀さん。
同じく、みゆさん。
4ピッチ目、5.10a 15m。
3ピッチ目の終了点から頂上までは40mと少し。
1ピッチで登れるのだが、前回それをしたらロープがえらく屈曲して非常に登りにくかったので、今回はピッチを切ることにした。
たにやんリード、チョリオフォロー。問題なし。
4ピッチ目を登るたにやん。
5ピッチ目、5.9 28m。
チョリオリード。左へ大きくトラバース。下を見ると高度感たっぷり。
ただし、脆い岩が多く、それほど快適ではない。
最後は地蔵岳の頂上へ直登して終了。
たにやんも、もちろんテンションを掛けずに登り、12時10分、登攀終了。
無事、登攀終了。
秀さん-ひじりんパーティ。
F原さん-みゆさんパーティ。
地蔵岳頂上で全員再会。健闘を称えあう。
東屋への下山途中、地蔵岳がよく見える場所があった。
たにやんと、あそこが1ピッチ目の終了点、3ピッチ目の核心はあの辺、と言い合う。
そして心の中で(ありがとう)と言った。
地蔵岳正面壁。
それを見上げる。(みゆさん写)
東屋に戻って記念撮影。
今回登った2本は、とてもいいルートだった。
整備していただいた方々には本当に感謝である。
また、一緒に登ってくれたたにやんには、今回車とテントでも世話になった。
それにしてもやはり、5.11bのオンサイトは難しい。
友人登路も上昇気流も、核心ピッチはオンサイトできなかった。
実力をつけて、またきっと、挑戦したい。
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コメント
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2日間、楽しかったですね~、ありがとうございました。
自分でも成長がほんの少しですが感じられたので、いいクライミングでした。
友人登路、RPおめでとうございます!
自分はまず、もう少し外岩にも慣れないとあきません。
もう少し強くなったら上昇気流、また一緒にチャレンジさせてください!
投稿: taniyan | 2016年10月26日 (水) 13時31分
taniyan、コメントありがとう!
付き合ってくれてありがとね!taniyanと登れて、ホントよかった。楽しかった!
上昇気流、リベンジはならなかったけれど、もっと強くなってまた挑みたい。
その時は、また一緒に登ろうな!
投稿: チョリオ | 2016年10月26日 (水) 20時17分
マムートシスターズも頑張りました〜!Fセンパイの頼もしかったこと‼︎
でも私にとってはほろ苦デビュー。右カンテ、1ピッチ目、スメアが切れて思わずヌンチャクを掴んでしまった…
『ホールドを探すのも実力』耳が痛い。同じ足が悪いなら、ええい、どこでも乗せちゃえ〜‼︎っていっちゃったんですよね。もっと落ち着いて探せば良かった。
チョリオさんの入念な下準備、そして登攀にかける想い。やっぱり遠い先輩の背中。改めて学ぶところがいっぱい…
私も清々しい登攀出来るように、また戻ってきたいです。
それにしてもフリー化されたルートとはいえ(もうちゃんと理解しました笑)アルパインも楽しいですね♪
投稿: miyu | 2016年10月26日 (水) 20時57分
miyuさん、コメントありがと!
10bのオンサイト、難しいよね。残念だったけど、次に行った時にはきっと成長が感じられると思うよ。
でももし私だったら。
登れなかったことよりも、ヌンチャクを掴んでしまったことを悔やむやろな。
1P目はフリー化されてるしね。
もちろん、フリー化されていないところでそんなことはしないけどね。
投稿: チョリオ | 2016年10月26日 (水) 21時55分
おめでとう!借りを返せて本当によかったですね。
友人登路+弓型クラックで、3年前の4月つれ合いと登りましたが、その年の
ベスト1だったように思います。
今度は三峰「ニッチモ」+不行「サッチモ」はいかがですか?
今年四月、私と夫は登攀七時間、歩行二時間半の九時間を超えてしまい
ましたが、他の山の会(たしかアルデ?)は六時間半ほどだったし、
チョリオさんたちも若いので、早いかもしれませんね。
投稿: Pahotti | 2016年11月15日 (火) 14時04分