アルパインクライミング
PCの写真を整理していたら、懐かしい写真が出てきた。
去年の夏、剱岳のチンネへ行ったやつ。
自分で撮ったものではなく、パートナーのA阪さんが写したものだった。
今、私が主にやっているのはフリークライミングである。
しかし、所属している山岳会はアルパインクライミングの会である。
よく、アルパインはカンタンで、フリーは難しい、とか、
アルパインは墜ちることが許されず、フリーは墜ちてナンボ、とか言われるが、
“自己責任”ということではどちらも同じで、私はアルパインとフリーを分けて考えるのはあまり好きではない。
とは言うものの、やはり私もアルパインとフリーでは登り方からして変わってくるし、
この“私の考え”を書き出すと長くなるので、この話はまた今度。
えー、なんだっけ?
そうそう、去年行った剱のチンネ。
取り付きまでが長くて、大変しんどかったけど、写真を見ていると、「また行きたいなぁ」と思えてくる。
最近は読まなくなったけど、新田次郎の山岳小説が好きで、単独行をしていた頃は、むさぼるように読んでいた。
“北穂滝谷”“北岳バットレス”“穂高屏風岩”“剱チンネ”“谷川岳一ノ倉沢”“甲斐駒Aフランケ”…
これらの岩場に、すごく憧れて山岳会に入会したのだった。
(単独で挑戦、と考えていた時期もあったが、限界を感じて山岳会に入った。今思えばホンマ危ない…)
山岳会に入ってクライミングを始め、今ではだいぶ、フリーの方に偏っている。
アルパインの方は、以前のような情熱は、正直なくなった。
なんだかこう書くと、すごくフヌケになってしまったように思えるが、「以前のような情熱」というのが少々異常で、ようやく現在人並みに落ち着いたのである。
以前は、そういう岩場に“ギリギリ感”というか、“ヒリつくような達成感”を求めていたが、
今はそういうのはフリーに任せてある。
アルパインでそんなギリギリやったら、命がいくらあっても足りない。
今年は屏風岩と、北岳バットレス。
この二つは是非行ってみたい。
アルパインでは、そんなガツガツせず、共に学んだ仲間たちとロープを結んで、一緒に達成感を味わいたい。
チンネの時もそうだったが、別に登攀自体に困難性があるわけではない。
どこかのルートでオッサンが、
「こんなルートがもし、烏帽子辺りにあっても、誰も登らんで」
と言っていたが、確かにそうやろな、と思った。
あの、日本離れした壮大な景観の中で、習った技を駆使しながら登るのがいいのである。
そして、終了地点で、「ああ、オレ、アルパインやってて良かったな」と心底思えるのがいいのである。
先人達が苦労して拓いた登攀路を、今でも脈々と登り継がれている“名ルート”と呼ばれている登攀路を、私も一度は登ってみたい。
かなり“ミーハー”的な考えではあるけれど。
剱チンネ左稜線の核心ピッチ。
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