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2016年5月の17件の記事

2016年5月30日 (月)

備中長屋坂 16年5/29

この日も、元祖奥の院に行く予定だった。
が、あいにくの雨。
小雨程度なら、と思っていたが、出発時には、結構しっかり降っていた。
で、予定を変更して、長屋坂に行くことにした。

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誰もいない長屋坂。初めて見た。

長屋坂は岩の傾斜のため、濡れていない。
そして誰もいない。
後で2人ペアが二組来ただけだった。

登り放題、どれにしよう。
前回、染み出しで登れなかった“猫だまし 5.11c”を片付けることにした。

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K本ちゃんは“黒鳥の交差点”

さて、“猫だまし”。
1ピン目が、はるか上にあり、(ホンマに大丈夫かいな?)と恐るおそるスタート。
1ピン目はおろか、最終ピンまで順調に登り、(えらいカンタンやな?)と、逆に不安になる。
その不安は的中。見事に“だまされ”ました。
しかも、フォール時、かなり振られ、左足カカトを痛打。

墜ちた時、治りたての右足を庇う意識が強すぎて、モロに左足だけで衝撃を受けてしまった。

(また、やってしまった…?)

予感は的中。
左足、痛すぎて、歩くのもやっと。
あ~あ…

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“猫だまし 5.11c”


一晩経って、今日。
なんとか出社したものの、私の歩き方を見て上司が、「病院行け」と言ってくれた。
実は今週は結構ヒマな週で、人が余る。助かった…

病院へ行くと、案の定、2週間前の右足捻挫の件と勘違いされた。
「え?今度は左足?」
お医者も呆れ顔である。
診察の結果、ちょっとヒビがいってるかも?数週間安静にしてれば治ります、とのこと。
分かっていたが、また“日にち薬”か。

当分トレーニングもできんな…

2016年5月29日 (日)

“ステップダンス5.12a”RP 備中 元祖奥の院 16年5/28

長かった。
この5月はろくでもない1ヶ月間だった。

ことの始まりは、GW、会の合宿で行った備中からだった。
(参照↓)
http://cholio.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/1642951-c40c.html

備中、元祖奥の院で、“ステップダンス5.12a”をRPし損ねて以来。
まず、左肘痛が悪化。雪彦山の“上昇気流”、大台ケ原の“サンダーボルト”のOSを逃し、さらに右足首捻挫。ジムでも登れなくなった。

捻挫から2週間。
医者の言ったことは本当だった。右足首は治った。
早速、ことの始まり“ステップダンス5.12a”を片付けに、備中へ。

今回はK本ちゃんと二人。
K本ちゃんは先日、念願の“女王様 5.12b”をRPし、私とは逆にモチベーションが高い。
朝6時に江坂待ち合わせ、10時前には元祖奥の院に到着。
岩場には我々の他に、愛媛から来たという数人のみで空いていた。
彼らは皆、気さくな方ばかりで楽しく過ごせた。
さらにこの日はずっと曇っていて暑くなく、過ごし易い気候だった。

まず“みちびき5.10c”でアップ。
K本ちゃんは元祖奥の院が初めて。
OS権があるので、先に登ってもらい、ヌンチャクを掛けてもらう。
次に私が登り、降りしなに隣のステップダンスにヌンチャク掛けをするが、半分しか掛けられず。

続いて、K本ちゃん、ステップダンスのOSトライ。
下部核心でテンション。まあ、そうなるか。

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ステップダンスにトライ中のK本ちゃん。

次は私の1便目。
(一発で決めてやる!)と意気込んでスタートしたが、上部核心でキーホールドを忘れていて、あえなくテンション。

2便目。
下部核心は、既に核心ではない。
テラスでレスト。
ヨレてないし、長居しても仕方ないので、すぐに上部核心へ突入。
1便目で確認した新しいムーブを使えば、すごく楽に登れる。
ジムの11cを登ってるみたい。
あんまりにもアッサリしてたので、終了点のホールドを取りに行く時に、ちょっと声を出してみたが、白々しいだけだった。

無事RP。白々しくても、やっぱり嬉しい。
それに胸のつかえが取れたようにスッキリした。

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“ステップダンス5.12a”無事RP!

降りてきて、K本ちゃんに「全然ヨレてないんちゃう?」と訊かれ、
「せやな、なんならもう一回登ったろか?」と応える。
やっぱりクライミングは“ムーブ”やな、と実感。

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K本ちゃん、ムーブ探り中。

続いてK本ちゃんもRP!
なんと4便、ワンデイ12!

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無事RP!

さて、スッキリしたところで、もう一つの宿題、“DONK(ダンク) 5.11a”へ。
この課題も前回1便出して、OSし損ねたルート。
また(一撃で終わらせる!)と息巻いてスタートするも、テンション。
ホンマ、つくづく記憶力ないな。
しっかり確認し、2便目でRP。

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K本ちゃんも、しっかりRP!2撃。

私はこの後、“チアキ 5.11a”をMOS、“蜉蝣(カゲロウ)5.11a”をOS。
久しぶりに溜まったウップンを晴らせた。

しかし。
後でK本ちゃんに言われた。「ステップダンス、宿題はアカンやろ」。
私はその言葉に、「お?ちょっと自分がワンデイで落とせたからって、えらい上からやな?」。
「いやいや、ちゃうちゃう、私が4便で落とせる位の課題は、チョリオさんなら3便、2便で落としとかんと」。とK本ちゃん。
(んん…今度はエラい持ち上げられたな…)

でも確かに、OSは難しいとしても、1便目で確認、2便目で確実に、が理想。
終わってみれば、の話になるが、ステップダンスでは、それが可能なルートだった。
ルートを読み、数あるホールドからどれを使うかを選ぶ目、それらを使って自分に合ったムーブを導き出す力。
ああ…圧倒的に足りんな。

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泊まりはいつもの杉田ハウス。

2016年5月27日 (金)

グラビティなんば 16年5/26

いつものグラビティへ。
この日もほぼ、ビレイと新人の補助。

シャントくんとH井くんが来ており、私はH井くんと組んだ。
前回登れなかった5.8(Kids課題)が登れ、幸先よし。

が、その後は5.9~10bが登れたり登れなかったり。
一番の弱点は、フットホールドを見落とすこと。
(5.9で、そんなハイステップ、出てこんやろ)と突っ込みたくなる(笑)
ま、でも、最初はこんなもんでしょ。

秀さんと組んでいたシャントくんは、果敢にも正面壁の10c黄へ。
返り討ちに遭ったそう…
そんなにカンタンには登れんて。

私も何本か登った。
久しぶりに12台も触ってみた。
ずいぶん感覚が鈍ってるが、ま、調子自体は悪くなさそう。

2016年5月25日 (水)

グラビティなんば 16年5/24

足首の捻挫、だいぶ良くなった。
歩くのに支障がなくなり、サポーターも止めた。
が、無理は禁物。本日もビレイのみ。

ジムに行くと、mayumiさんが、「チョリオさん、ビレイ一本、お願い」と言ってきた。
(お?さては宿題の10cが登れるようになったかな?)
と思ったが、mayumiさんの選んだルートは10a赤。
ん?と思ったが、mayumiさんが登り始めてすぐ、これまでとの違いに気付いた。

ホールドを握らず、腕を伸ばす。
アウトサイドで乗り込み、フリを利用し、楽に次のホールドへ。
ゆっくりだが、丁寧で淀みない、流れるようなクライミングだった。

(なるほど、mayumiさんはこれを、私に見せたかったのか)
私はすごく嬉しかった。

今だから言えるのだが、半年ほど前、ジムに通い始めた頃のmayumiさんの登りは、
およそ“フリークライミング”とは程遠いものだった。
mayumiさんはアルパインクライミング歴が長いし、体に正対での三点支持が染込んでいる感じだった。
持ち前のガッツと鍛え上げた腕力に物を言わせ、ガツガツと登っていた。
それで、ある程度登れていた。それはそれですごかったが。

普通なら、結構年齢も召されているし(失礼)、ジムで10台がある程度登れたら満足しそうなものである。
実際、定番と言われるアルパインクライミングのルートでは、それで困らない。(あくまでも“登攀”だけの話。他にやるべきことはいっぱいある。)

しかし、mayumiさんは、フリークライミングに真剣に取り組んだ。
正直、上達は早くない。
同時期に始めた者はどんどん先を進むが、腐らず、自分を見失わず、ゆっくりとだが、着実に上達している。

私は、その姿勢が、すごく嬉しいのである。

「難しい課題を打ち込みまくるのもいいけど、やさしい課題をこれ以上ない完璧なムーブとコントロールできれいに登れる方がいい」
とは、クライミングジム「CRUX」を立ち上げた木織さんの言葉である。

ちょっと感動すら覚えたので、すっかり長くなった。
さて、この日の相手は、miyuさんとH井くんの新人二人。
二人ともKIDS課題の5.8に四苦八苦していた。なんとも初々しい。

しかしその後は5.9や10aが登れたり。クライミングではよくあること。
二人ともまだジム2回目?3回目?
とりあえず今は、何も考えず、本能の赴くまま、登れて嬉しい!登れなくて悔しい…
でいい思う。そしてなるべく、本数を多く登ること。かな。

実は私も、何本か登ってみた。
右足使わない、左足限定。
5.8、10b、この辺は軽過ぎ、垂壁11a、ルーフ10d、もうちょっといけそう、正面壁11a、10c、長いのはさすがにキツい。
あ~、フラッギングの練習してるみたい…
腕と指がちょっとナマってる感じやな。まあ、しゃあないか。

2016年5月23日 (月)

ムスコとクワガタ捕り。16年5/22

ムスコとクワガタ捕りに行ってきた。
初めて行ったのが、2011年の夏。あっちゃんはまだ小2だった。
http://cholio.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/2011-2fa7.html

あれから5年。クワガタ熱はだいぶおさまった。
当時は毎週のように出かけ、家の玄関は飼育ケースだらけになっていた。
今は捕まえても持ち帰らない。キャッチアンドリリース。

さて、21日の夜遅くから出発。
眠い目をこすりながら、ポイントへ。
一番実績のある、“ぎょうすう”ポイントへ。

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クワガタを掘り出す(?)あっちゃん。手馴れたもの。

「お父さん、おった!デカい!!」
早速、あっちゃんが見つけたようだ。
ただし、この「デカい」は信用してはいけない。
獲物は大抵最初は大きく見える。クワガタと格闘しているうちに、
「60はある」「50くらいかな?」「コクワかも」
とだんだん縮んでいき、捕まえてみたらメスだった、というヒドイこともあるのである。

ちなみに、我々親子の“獲物”とは、「ヒラタクワガタ」のことである。
我々の行くフィールドにいるクワガタの種類は、
「コクワガタ」中型種。一番よく見かける。通称「コクワ」。
「ヒラタクワガタ」大型種。大物は60mmを越える。力も強く、挟まれたら大人でも涙がでる。
「ノコギリクワガタ」大型種。やや高地に生息。我々のフィールドで見かけるのは稀。
「ミヤマクワガタ」大型種。高地に生息。我々のフィールドではほぼ、見られない。
「オオクワガタ」大型種。超レア。今まで4匹しか捕まえていない。その内2匹はあきらかに放虫(飼育しているのを逃がすこと)。
「スジクワガタ」小型種。やや高地に生息。たまに見かける程度。
「ネブトクワガタ」小型種。殆ど見かけないが、あるポイントにドッサリ生息している。

こんなカンジで、「コクワ」とメスはザコ扱い、狙うのは「ヒラタ」の大物である。
ヒラタクワガタは大抵、クヌギやコナラの洞に棲んでいる。
普通に探しても見つからない。
ライトで覗き込み、見つけたら棒を使って掘り出す。
もちろん、相手は動くし、思い通りには出てきてくれない。
踏ん張られたらまず、掘り出し不可能。
そこをなだめすかし、なんとか洞の出口へ誘導し、捕まえるのである。
やってみたら分かるが、かなり難しい。だから面白いのである。

説明が長くなった。
私もクワガタムシやカブトムシが幼い頃から大好物。ついつい語ってしまった。
さて、“ぎょうすう”ポイントでのあっちゃん。
10分ほど格闘し、無事に獲物をゲット。

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お!デカい!
今回は本当に大物だった。計ってみると60mm。幸先良し。

次に“こうえん”ポイントへ移動。
ここでも小さいが、何匹がクワガタをゲットした。

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最小クラスのヒラタ(♂)右下。26mm。メス(左下)よりちっさい。
上はコクワガタ。

車中泊し、翌朝。

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早速クワガタ探し。

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この木は5.11d。長靴では登れない。

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ザコ扱いの“コクワ”も、けっこうカッコイイ。

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捕まえたヒラタクワガタ。左から40mm台、60mm台、20mm台。

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“ズカウラ”ポイント。

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30mmの“マメヒラタ”ゲット。ちっこいヒラタも好き。

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お父さんも木登り。

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最小ヒラタとあっちゃん。

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昼食はいつものラーメン屋へ。

「あっちゃん、昼からどのポイント行きたい?」と尋ねると、
「まつおなかポイント!」
(“まつおなか”か…)
そのポイントは非常にアクセスが悪い。足が万全でないので行けるかどうか…
しかし、あっちゃんはノリノリで、その顔を見ていると、
「行ってみるか!」となった。

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けっこうしんどい。夜に行くと大抵遭難する。

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無事到着。

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捕まえたクワガタを並べてみた。

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“まつおなか”ポイントから戻ってきたとこ。エライ目に遭った。

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コンビニでアイス食って終了。

あっちゃん、また行こうな。

2016年5月22日 (日)

T市某岩場~山岳会登攀訓練 16年5/21

山岳会の登攀訓練。
T市の某岩場へ。参加者はA阪さん、K西さん、F原さん、いなやん、たにやん、チョリオ。計6名。
私は足首捻挫のため、引き続きビレイオンリー。とほほ…

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準備をして…

早速クライミング!

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F原さん、登れました!

F原さん、初リードで“夢の途中 5.8”をMOS。

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A阪さんは隣の“宙組(?)5.9”を。こちらも危なげなくMOS。

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K西さんも、負けてられない、“夢の途中 5.8”をOS。

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たにやんは“桜守 5.11a”をRP。

いなやんは宿題の“五八寸 5.11b”をRP。
おめでとう!写真なくてスマン。

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K西さんが、人数分のそうめんを用意してくれた。
暑い岩場にピッタリ、ごちそうさまでした。

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イレブンを登り終えた二人も一休み。

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登攀再開。F原さん、“バランスアドバイザー 5.10a”にチャレンジ!
しかし、終了点直下の核心が越えられず、RPならず。残念。

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先輩のK西さんも負けてられない、“宙組 5.9”を。

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画的にはロクスノ表紙風に見えないこともない…?

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F原さん、“弥吉 5.10a”。こちらもRPならずでしたが、リードで果敢に挑んでました。

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A阪さんも“ロクスノ”風!珍しい気合の入った表情。

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いなやんとたにやんは、“レオ 5.11b”~“ルネ 5.7”の2ピッチをマルチで。

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たにやん“五八寸 5.11b”、RPならず。ん~惜しかった…

ちなみに私も、5.10aまでの4本、登れました。
いや~、ビレイで下から見ていると、(自分ならこうするな~)とか考えてしまう。
今なら(右足使わないなら、こう動くかな?)とか。
それを考えると、試したくなるんやな、これが。
片足、アプローチシューズでも案外、登れるもんやな(笑)

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みんな5~6本登って終了。お疲れさまでした。

2016年5月18日 (水)

グラビティなんば 16年5/17

先日、懐かしのアニメを見ていて、登場人物の
『軟弱者!』
というセリフにドキッとした。

Nanjakumono
分かるヒトには分かるアニメです。

(ああ、オレのことや…)

今、私はクライミングができない。
先日の大台ケ原“サンダーボルト”での足首捻挫のせいなのだが、
他にも左肘、左肩、左膝裏を痛めている。
腰の爆弾も健在だ。
特に左肘は、クライミングをしたら必ず痛くなるので、レストできて丁度よかったのかも。

私はどうも、身体が弱いように思う。
病弱、というわけではなく、骨や筋肉の強度が足りないというか…
12台が登れるようになり、さらにトレーニングの強度を上げると、必ずどこかを痛める。
去年から、ずっとそんな調子。もう、いやになってくる。

はあ…
全く“軟弱者”やな。

さて、グラビティ。
昨日は会の新人、H井くんが初見参。
登れない私は、同じく新人のヒジリさんとまとめて世話。

二人とも、すごくガッツがあり、物怖じしない。
最初から10bやらにトライ。
もちろん、洗礼を受けてましたが。はは。
まあ、最初からそんなカンタンには登れませんわな。

でもマジメに通ったら、きっとすぐ上手くなるやろな。
願わくば、私を脅かすくらい上手くなってもらいたいものだ。

2016年5月15日 (日)

大台ケ原 千石グラ“サンダーボルト” 16年5/14

大台ケ原、千石グラの“サンダーボルト”を登攀してきた。
パートナーは、先週の雪彦山に続いての、谷やん。
今回の千石グラ登攀は、6人。
イサミン-S橋さん、秀さん-M西くんの4人、2パーティーが、“サマーコレクション 9P 5.10c”、チョリオ-谷やんパーティーが“サンダーボルト 10P 5.10c”。
なお、グレードは新版日本の岩場(菊池敏之編著・白山書房)による。

14日の夜中、秀さんの車で大台ケ原へ。駐車場で仮眠。
7時半からビジターセンターでセミナーを受け、谷やんと私は、サマコレ班より先に出発。
サマコレには去年の春、イサミンと登攀、RPしていたので、今回サンダーボルトに挑むことに。
谷やんは、外岩経験も少なく、サマコレも未だ登っていないが、私のワガママでサンダーボルトに付き合ってもらうことになった。

いい気候で、暑すぎず寒すぎず。絶好のクライミング日和。

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アプローチで見かけたヤマシャクヤク。

8時に駐車場を出て、少々迷いながらも9時、サンダーボルトの取り付きに到着。

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「ちょっと1ピン目遠くないですか?」最初見ていたのは、“サンダーボルト2”の取付(写真中)。11a。間違い。少し右にホントの取付(写真右)。

準備を済ませ、9時半、いよいよクライムオン!

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1P目、5.10b、40m。緩傾斜のフェース。

いつも最初のピッチは緊張する。岩に慣れていないのと、体がほぐれていないから。
しかし慎重に登れば問題ない。
ほどなく終了点へ。

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1ピッチ目終了点(左)と、終了点から下を見たとこ。

谷やんもノーテンションで登ってきた。
10bでこれくらいなら、この先も楽やな(もちろん、そんなワケはない)。


2ピッチ目、5.10b、45m。緩傾斜のフェース。

だいぶ体も温まってきたが、慎重に。
しかし、半分ほど登ったところで、事故は起こった。

まさかの、痛恨のフォール。
当に、“痛恨”の、である。

別に難しい箇所ではなかった。
草付を乗越すのが少々煩わしいくらい。
その草付辺りのホールドを右手で取った時、ホールドが欠けた。
バランスを崩しながらも、左手で木の枝を持ったが、その枝も折れて(?)しまった。

ロープにぶらさがりながら、暫し呆然。
下から谷やんが「大丈夫ですか?」と声を掛けてきた。
右足が痛い。
フォールした際、壁にぶつけて傷めたようだ。
しばらくすると痛みはマシになったが、足首を動かすと痛い。
それでもなんとか登れそうなので、下に「登ります」と声を掛けて、登攀再開。

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フォール後、上を見上げる(左)。フォール箇所(右)。
ルートは草付を直上。草付が途切れているのは、左手で木を持った際、下の土もろとももげてしまったからと思われる。

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2ピッチ目終了後。悔しそう。

谷やんもフォローで登ってきた。
このピッチもノーテンション。フォローとはいえ、ザックを背負っての登攀。
谷やん、確実に実力が上がっているようだ。


3ピッチ目、5.9、30m。トラバース。

このピッチ、5.9とグレードが下がるので、谷やんトップやってみる?と訊いてみる。
が、遠慮するので、引き続きトップで。

左へトラバースするルート。ガバばっかり、との情報だったが、案外悪い。
岩が崩落した跡があちこちに見られ、どうやらガバは無くなったみたい。
ピンが見つけにくい上、ロープの流れが悪く、重い。
墜ちたらずいぶん振られるし、さっきのフォールのことが頭をよぎり、結構緊張した。

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谷やん、トラバースに苦戦中。

登攀後、谷やんによると、この3ピッチ目が一番大変だった、とのこと。


4ピッチ目、5.10b、15m。小ハング~左のクラック。
5ピッチ目、5.10c、15m。トラバース~フェース~小ハング。

3ピッチ目終了時点で12時10分。登攀開始から2時間40分。
本来もっと早いはずだが、私がフォールして時間をくってしまった。
時短のため、短い4ピッチ目と5ピッチ目を、連続登攀するかも、と谷やんに伝える。
連続するかは、4ピッチ目終了時点で決める、と。

この4・5ピッチが、サンダーボルトの核心ピッチ。
特に5ピッチ目は、他のブログでもテンションかけたり、A0を駆使したりと書いてあって、難しそう。

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4P目出だし。カブリ。

いきなりハングしていて、なかなかテクニカル。なんとか乗り越える。
その後も結構難しく、1・2ピッチ目と同じ10bとは思えない。

しかしなんとかノーテンでクリアし、4ピッチ目終了点から下を見る。
やはり15mは短い。次に上を見て、5ピッチ目のルートを確認。
最初のハング越えのところでロープの流れが悪くなるが、繋げても問題なさそう。

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4ピッチ目終了点から下。

5ピッチ目、いよいよ核心。
ハング部を右へトラバースするが、それでもカブッてるように感じる。
ホールドも悪く、細かい。
取り付いてみると、難…でも…面白い!

ここにきて、“フリー”クライミング本来の楽しさが味わえた。
サンダーボルトは、フリー化されたルートではあるが、どちらかというとアルパインクライミング要素の強いルートである。

右トラバースの後はフェースを直上、後、左上。
ここもいいホールドは少ない。
下を見ても、ビレイヤーの谷やんが見えず、
(ここで墜ちたら、結構落ちるんやろな…)と、2P目でのフォールが頭をよぎる。
が、なんとか無事に終了点へ。

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谷やん、奮闘中。

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もちろん、もう“なんでもアリ”です。

このピッチ、私は楽しかったが、谷やんにはさすがにキツかったみたい。
それでも根性出して、よく登ってくれました。


6ピッチ目、5.9、25m。スラブを左上。
7ピッチ目、5.9、25m。クラック~凹角。

一応、谷やんに「トップ、行く?」と訊いてみる。
しかし、かなり疲弊しているようで辞退。見るからにしんどそう。そらそうやろな。
6・7ピッチも、続けて登る。
疲労困憊の谷やんとザックを交換。
もちろん、谷やんは大丈夫です、と答えたが、私は右足痛以外は全然元気で、もうちょっと負荷をかけたかったので。

実を言うと、このピッチ、印象が薄く、あまり覚えていない。
ただ、やはりザックが重い。
登り初めはたいしたことなかったが、登っている内に、ボディーブローのように堪えてくる。
二人とも軽量化しているとはいえ、二人分の荷物でザックは5kgほど。
そら“フリー”のようにはイカンわな。セカンドの谷やんに、改めて感謝。

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6ピッチ目終了点より。

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7ピッチ目終了点より。50mほど一気にクライミング。谷やん(中央)がかなり小さく見える。

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谷やん、7ピッチ目のクラックに挑む。

終了点で、隣の方から声が聞こえた。
サマコレを登っているイサミンだ。
ちょうど6ピッチ目終了点のテラスで休憩中、こちらを見つけて声をかけてくれた。
こちらも大きく手を振って応えた。


8ピッチ目、5.10b、35m。垂直のコーナー。

7ピッチ目から続く凹角を登る。
でかい木が生えていて、これがまた邪魔。
ステミングで登るのだが、右足が痛い。
左壁はまだホールドがあり、左足はそのホールドに乗れるのだが、右壁はツルツルで、ステミングするしかない。
痛くて踏ん張りが利かず、効いているのかどうか分からない。
ツルっと滑って墜ちるかも、という恐怖と戦いながらのクライミング。
登りながら思い出したのが、グラビティにある、凹角黄色の11aルート。
ムーブがよく似ていた。谷やんも同じことを言うていた。

凹角が終わり、右のフェースへ出るところが核心、という情報があり、
この後、どんだけ難しいんやろか、と内心ビビッていたが、
こちらは案外アッサリこなせた。少し登って終了点。

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8ピッチ目、ステミングを駆使して登る谷やん。

ちなみに私は、この8ピッチ目が一番堪えた。ほんまにキツかった。

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8ピッチ目、凹角を抜けた後。


9ピッチ目、5.9、25m。右へトラバース~木を越えて左上。

簡単なフェースを右上。テラスに出るが、ピンを見失う。
ずいぶんウロウロしたが、ブログで見た10ピッチ目の取付を見つけ、そばの木で終了点。
ルートが合っていたかは定かではないが、まあええか。


10ピッチ目、右5.11a/b・左5.10b、30m。ハング~右上してスラブへ。

いよいよ最終ピッチ。
時刻は16時40分。ここまで7時間10分。
日没までには、まだずいぶん余裕がある。
ここで、私は右の11a/b(100岩場では5.11b)のルートを登ってみることにした。

谷やんにそれを言うと、(コイツならそんなこと言い出すやろな)みたいな半ば諦めた表情で、承諾してくれた。

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10ピッチ目取付。カブってます。

木に登って、1ピン目プリクリップ。
ザックはまた自分のに替えてもらい、ギア類も減らしてトライ。
最初、5級程のボルダームーブ、とあったが、当にそんな感じ。
気合一発でクリアし、真正面のカブリ壁へ。

カブリ壁は高さ2m程で、左に10bルート、正面に11a/bルートがある。
11a/bルートの2ピン目にクリップし、しばらく観察。といっても、壁の向こうは見えない。

ピンの左にガバっぽいホールドがあり、それを左手、右手はピンそばのスローパー。
思い切り引き付けて壁の向こうを覗く。
(なんや!ホールドだらけやんけ!)
思いの外ゴツゴツしていたのに安心し、右手を出す。
ガバやと思ったのにスローパー。
(チッ!)
左手を出す。またスローパー。
(何!?)
急いで右手。またもやスローパー。
(うお!?ヤバい!)
声を張り上げ、大慌てで左手。ようやくカチ。
(た、助かった…)
右手でガバを保持し、一安心。
やはり11台は甘くなかった。いや、ホンマ、危なかった…

あとは簡単なスラブを登り、木で終了点。
谷やんは10bルートを登ってきた。
こちらもしんどいようで、声を上げていた。

登攀終了、17時40分。

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お疲れ、谷やん。

登攀を終え、喜びを分かち合い、健闘をたたえあい、しばしくつろぐ。

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(あ~、つかれた~!)

結局、10ピッチ(実際は8ピッチ)全部トップで登らせてもらった。
テンションは2ピッチ目のフォールのみ。
悔しいし、自分の未熟さに腹が立つ。

しかし、谷やんとのクライミングは楽しかった。
恵まれたパートナーと充実したクライミングができて、本当に良かった。
当のパートナーがどう思っているかは、定かではないが…

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夕暮れの千石尾根。

久しぶりの平らな場所で座り込み、クライミングシューズを脱ぐ。
と同時に痛みがこみ上げてきた。
痛みはどんどん増してきて、まともに歩けない程に。
足首を動かすと激痛が走り、右足に体重を乗せるだけでも痛い。

(なんてこった…)

クライミング中も痛かったが、これほどひどくはなかった。
恐らく、また例の脳内麻薬で痛みを抑えていたのだろう。
まさか、こんなにヒドいとは…
おそるべし、オレ。
こんな足で、いったいどうやって残りの8.5ピッチを登ったのだろう?

木の枝を杖に、なんとか駐車場へ。
サマコレを終えて先に戻っていた仲間達が出迎えてくれた。

遅い夕食は、やたらボリュームのある台湾料理店へ。
今回も完食できず、残してしまった。

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M西君とイサミンは完食。すごいな。

帰りはわざわざ家まで送ってもらった。
秀さんも疲れているのに、ありがとうございました。
正直、ほんま助かりました。

やっちまった…右足首捻挫。

昨日、大台ケ原千石グラでクライミング。
“サンダーボルト”という、10ピッチのマルチだったのだが、2ピッチ目でフォール、その折右の足首を痛めてしまった。
痛いながらも、そのまま登攀を続け、終了点の千石尾根に到着したと同時に、痛みが強くなった。

足首を動かすと激痛が走り、快適な尾根歩きにも支障が出るほど。
木の枝を杖にして、なんとか駐車場まで戻った。

秀さんの車で自宅まで送ってもらい(歩くのが辛かったので、本当に助かりました。)、
足首にシップを貼り、氷枕を固定してアイシング、そのまま寝た。

一晩寝たらマシになってるかな、案外治ってるかも。
なんて期待していたが、目を覚まして右足首を動かすと痛いのでガッカリ。

実際に目で見てみてビックリ。
…なんじゃコリャ…
すごく腫れてる。
治るどころか、あきらかに昨日より痛みがひどい。
足首を曲げると激痛が走るので、歩くのも大変だし、階段を降りるのも苦労した。

早速病院へ。
日曜なので、ネットで休日診療をやってる病院を検索。
でっぷりしたお医者さんは、(日曜やのにめんどうやなぁ)といった風で、いかにも億劫そうに診療。
レントゲンを撮り、診察の結果、骨に異常ナシ、靭帯損傷、いわゆる捻挫、とのこと。
安静にしていれば、全治2週間。とりあえずは一安心。

ああ…当分クライミングできなくなってしまった…
つーか、明日からの仕事、キツいなぁ…

2016年5月11日 (水)

グラビティなんば 16年5/10

グラビティなんばへ。
先日、会の新人に「ジム来たら?」と誘ったのだが、早速2人来ていた。
ヒジリさんと、シャントくん。
この日、私は以前からの肘痛に加え、仕事で背中も痛めてしまい、殆ど登らないつもり。
ので、後輩の面倒が見れて、好都合。

早速、トップロープで登ってもらう。
2人共10aくらいは簡単に登ってしまった。

2本登って、トップロープではなく、リードで登りたい、と。
垂壁の10aや10bも、リードで登ってしまった。
初心者にしてはなかなか。

ヒジリさんは、ビレイ検定。
無事合格後も、もちろん登る。
「限界を知りたいので」とのことで、いきなり11aにトライ!
…もちろん、登れない。2手で敗退。
でも、挑戦するという、その意気や良し。

その後はロングルートの正面壁へ。
「赤の10aが登りやすいよ」とアドバイスしたが、10bへ。
2ピン目で敗退。
次に壁左側、緑の10aでも登れず。

シャントくんも、正面壁の10cにトライして、派手にフォール。
まあ、最初から、そう簡単にはいきませんわ。
2人共、屋内クライミングの楽しさと厳しさを、味わえたかな。
少し通えば、見違えるように登れるようになるでしょう。

さて私は、あまり登らず、簡単な10台や、11a~11bまで登った。
背中の痛みが和らいだので、最後に12aを一本だけ、登って終了。

2016年5月 9日 (月)

蓬莱峡~新人のための練習会 16年5/8

4月に入会した新人のために、会長のmayumiさんが自主練習会を企画。
私も手伝いで参加。
新人練習といえば、例のごとく蓬莱峡。
天気もいいし、混んでいるかな、と思っていたが、予想に反して空いていた。

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新人の殆どの方が参加。皆さん熱心。

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ロープを捌く手つきもたどたどしい。

前回、一度トップとフォローで登るシステムを説明したが、もちろん、一度で覚えれるわけもなく、皆さんなかなか初々しい。

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O村先輩の、チェックの目がコワい。

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平地でシステムの復習。まあ、なかなか上手くはいかんわな…

復習のあとは、いよいよ大屏風で実践。
新人の方はフォローで登ってもらう。

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こちらは3年目?のN川さん、“大”先輩mayumiさん。

私も久しぶりに蓬莱峡を登攀。
やっぱ蓬莱は優しいなぁ。なんだか岩に迎えられているような気がする。
ポカポカ陽気で暖かいし、なんやもう、このままもっと上まで攀っていきたい。
昨日の登攀が厳しかったから、よけいそう思えたのかな。

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全員3本づつ登って終了。お疲れさまでした。

今回、新人外のお手伝いも、けっこう集まった。
わざわざ休みの日に、ご苦労さまでした。
今回は別に強要ではない自主練習会だったけれども、これだけ人が集まるのはいいことだ。
熱心な新人、それを気持ちよく応援する先輩。
ええ会やなぁ、と改めて思った。

2016年5月 8日 (日)

雪彦山地蔵岳正面壁“上昇気流 4p 5.11b”

たにやんと二人で、雪彦山へクライミングに行ってきた。
狙うは、地蔵岳正面壁“上昇気流 4p 5.11b”と三峰南東壁“友人登路 4p 5.11b”。

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前日雨で、岩の乾き具合が心配。
(しかし、多少濡れていようが、気合と根性でなんとかOS)
最近少々低調気味なので、それを払拭、エンジンをかけ直したい。

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東屋からの景色。

まずは地蔵岳正面壁“上昇気流”へ。
ちょっと意気込み過ぎたか、道迷い、30分ほどロス。

8時半、“上昇気流”の取り付きに到着。

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雨は昨日までに止んだが、取り付きはガスの中。真っ白。
岩が乾くはずもない。
ある程度予想はしていたが、想像以上の濡れ具合。
(ビショ濡れやん…)

1P目、5.10b。
しょっぱなから苦戦。
濡れのため使えるホールド、フットスタンスが少なすぎ。
当然スメアも不可。
ピン間隔が短いのが救い。
それでもなんとかフリーで終了点へ。

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1P目終了点。

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終了点から。取り付きにたにやん。

フォローで、たにやんが登ってきた。
こころなしか、顔が青ざめていた。
後で白状したが、内心懸垂で降りることを考えていたらしい。

2P目、10b。
1P目より簡単に思えた。が、ピン間隔がとおい。
掛かりのいいカチには水が溜まり、ガバには泥が詰まっている。
何度もタオルで手を拭きながら、それでもフリーで越える。
22mとどこかに書いてあったが、15m程?

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2P目終了点より。下に1P目終了点の、たにやん。

3P目、5.11b。
いよいよ核心ピッチ。
取り付きにいる時、時間が経って、あわよくば乾くかも?
と、ちょっと期待していたが、やはりズブ濡れ。
それどころか、霧が更に濃くなり、霧雨状態。

出だしから難しい。
3ピン掛けた所で動けなくなった。
壁がカブっているように感じる。

いったんクライムダウンし、ちょっと左から登る。
しかし、こちらでも動けなくなり、ビレイのたにやんに「落ちるぞ!」と叫ぶ。
が、たまたま出した右手が、薄いカチを保持し、なんとか耐える。
(いよいよヤバい…)
「テンション!」と叫びたいのを堪え、もう一手…

フォール。

右足が滑って墜ちた。
(やっぱ、アカンか…)
まあ、九分ダメだろうと思っていたが、それでもOSしたかった。
悔しい思いを鎮めるため、乱れた息を整えるため、暫くぶらさがったまま休む。
気を取り直して登ろうとしたが、思いの外、腕と指が疲労しており、登れず。
ピンにスリングを掛け、足を突っ込んで、次のピンにヌンチャクを掛ける。
A0で乗っ越した辺りも難しそうで、恐らく核心。
たとえフォールした所を越えられたとしても、そこは越えられなかっただろう。

上部はガバが出てきて問題なく終了点へ。
3P目は25mとの情報だったが、こちらも短く思える。20m弱?

終了点は小テラスになっていた。たにやんも登ってきて、小休止。
A0連発のたにやんは、かなりしんどそう。

4P目、5.10a・5.9
情報では15m直上、5.10a、でピッチを切り、次のピッチ、左トラバース28m、5.9、とあった。
繋げて登る。が、それが間違い。
ロープがやたら重たい。
左トラバースでは眼下に景色が広がり、高度感を楽しみながらの快適クライミング、のハズだった。

それどころではない。

眼下の景色どころか、360度真っ白。
ビレイヤーも全然見えない。
ロープが重過ぎて、登れない。
ピンを掛けたら、力いっぱいロープをたぐり寄せる。
ピン間隔が遠いので、かなり多めに。
しかしたぐり寄せたら当然、もしフォールした時、その分墜ちる。
5.9で、これまでに比べたらカンタンとはいえ、濡れた岩は怖い。

ようやく上に頂上らしきところが見え、直上。一番近い木で終了点。ひと安心。

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たにやん、最後のひと踏ん張り。

終了点から地蔵岳の頂上は、すぐそこだった。
頂上着13時40分。ようやく着いた。たにやんと固い握手。

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登攀に5時間10分。
4時間あれば登れるだろう、と考えていたが、まあ、しゃあない。
あれだけ濡れている岩を登ってきたのだから。

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頂上に着いて、ようやく晴れてきた。

当初“友人登路”へ連続登攀の予定だったが、時間がなくなったので、1P目の11bだけ触りに行くことに。
こちらでも少々道に迷い、ようやく三峰南東面へ。

山渓の日本マルチピッチでは、ルートが2つしか書かれていないが、岩場はボルトだらけだった。
目当ての“友人登路”はドコ?と二人で探す。
しかし、そこは流石のたにやん。
スマホで“友人登路”を登っているブログを見つけ、その写真で取り付きを見つけた。

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たにやん、文明の利器を駆使。

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“友人登路”1ピッチ目、早速トライ!

(難…)

何度か試すも、全く歯が立たない。
A0で上にピンにヌンチャクを掛け、トップロープ状態でトライしてもダメ。
そそくさと懸垂で降りてきた。

(11b、恐るべし…)
全然登れそうになかったことにショックを受けると同時に、なにか違和感を感じた。
(さすがにちょっと難しすぎるやろ…それに)
“友人登路”はフリー化、リボルトされたと聞いていたが、2ピン目以降リングボルトとハーケンもどきだった。
岩壁の左を見に行ってみると、それらしいルートを発見。
たにやんも、違う人のブログの写真を見て、「ああ、これが“友人登路”ですわ」。

たにやんは、間違えたことをしきりに謝っていたが、私はむしろホッとした。
(消えたハズのOSチャンスが残っていた)
またここへ、リベンジしに来よう。

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こちらが正真正銘“友人登路”。

16時半、岩場を出て、17時、車を停めた東屋へ。
朝はどんより曇っていたが、夕方は爽やかに晴れて、風が心地良い。

今回は爽快なフリークライミングからはかけ離れた、泥臭いアルパインクライミングだった。
OSできなかったのは悔しいが、それ以上に、あの悪条件の壁を二人で登れたことが嬉しい。
パートナーのたにやん、ありがとう。これに懲りずにまた付き合ってな。

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お土産付き…

2016年5月 6日 (金)

“幻の?11a” 5年前。

以前、このブログで、ジムで初めて“5.11a”が登れたのは、3年前、2013年4月、と書いた。
しかし今日、PCを整理している内、実は更に遡ること2年、2011年6月に既に“11a”を登っていることが分かった。
…というより、思い出した…

実はmixiというのをやっていて、もう5年ほったらかしなのだが、今日本っ当に久しぶりに開いてみた。
5年前に自分の書いた文章を読んでいて、その“11a”の記事を見つけたのである。
今となっては別にどーでもえーことやねんけど。
面白かったので、そのまま全文載せます。


今日は岩トレの予定だったが、悪天のため、またもやジムに変更になった。
ナンバの新しいクライミングジム、アビリティいうたか?なんか違うような?
そこへ会のメンバー10人以上でぞろぞろと。

その中に、私の苦手なWさんもいた。
すごく知識があって岩に真剣に取り組んではって、仲良くなりたいのだが、
ぶっきらぼうでコワもてなので、どうも取っつきにくい。

そのWさんが、いきなり3本立て続けに登ってはった。
それを見て「なるほど」と思った。
屋内ジムはフリークライミングだが、
我々が目指すのはアルパインクライミング。

そないに難しいムーブなどを駆使して登るより(駆使できないが)
易しいルートを立て続けに登ることの方がアルパインの練習になる(と思う)

最初に3本ほどウォーミングアップで登り、
(ビレイ検定受ける方が多かったので…)
私もそれを実践してみよう、と思った。

(でも…)
先週来た時に登れなかった5.10dのルート、
これだけ、一度挑戦してから…
Shigeoさんにビレイを頼んで登ってみる。
…なんとか登れた!嬉しい!
もう今日はこれで満足!あとは修行を…

と思っていたら、以前吹田のジムに行っていた時に
いろいろ教えて頂いたS野さんに会った。
久しぶりにお会いして少しお話しする。

「チョリオさん、あそこの5.11a登りました?」
「いえいえ、イレブンなんて私にはとても…」
「イヤ、あそこのルートはイレブンもないよ。5.10aくらい思いましたもん」

(なんと…)
まあ、S野さんが5.10a言うてもレベルが違いすぎて全然説得力がないのだが、
かなりの“お買い得”であることは間違いなさそうだ。

目の前を1mのコイが腹を減らしてウロウロ泳いでいるようなもんか?
(分かりにくい例えですが…コイ釣り師にとっては
メーターオーバーを釣り上げるのは1つのステータスなんです)

「ホラ、あそこの茶色のルート」
(茶色?そういえば…前回お会いした助役さんも
そんなことを言うてはったような?)

(やってみるか…)
実は今まで5.11は登るどころかトライしたことすらない。
以前少し通っていた平野のジムで虎視眈々と狙っていた5.11aがあったけど、
結局トライする前に肩を痛めてしまった。

ビレイを頼もうと、会のメンバーが集まっている所に行くが、
みんなそれぞれ練習している。
一人、手持ち無沙汰にしているのがいたが、彼のビレイはまだちょっとコワい。
うまい具合にマイミクの、はんていさんがヒマそうにしていたので、
ビレイをお願いした。(知り合いに会ってばかりである)

深呼吸をして、登り始める。
腕のスタミナに自信がないので、どんどん登り、どんどんクリップ。
ホールドはすごく持ちやすい。(なるほど、ウワサ通り)
途中すごくかぶっている箇所があるけど、
そこも無事クリア、最後まで登れた!

やったー!!登れたー!!
やっぱり嬉しい!
お買い得でも、飢餓状態のメーター鯉でも、やっぱり嬉しい。
でも“ちゃんと”5.11登る人にとってはこんなルート、メーワクなんやろな…

メンバーの所に戻り、
相変わらず、手持ち無沙汰の彼に話しかける。
「どんどん自分から入って行かないと、
いつまでも登れないし、上手くならないよ」

しゃあない、今気分もええし、オッサンが付き合ってやろう。
彼のビレイで簡単なルート3本連続。
ちょっと寄り道したけど、本来やりたかったことを実践。
これが…キツい…もっと腕に負担をかけずに登れるはずなんやろうけどなぁ…

彼との特訓(?)を終える頃、
ちょうど他のメンバーも終了。そのまま“反省会”へ。

反省会ではコワもてのWさんは、ずいぶん気さくだった。
笑顔がとても魅力的。

今日の一番の収穫は、Wさんとの距離が縮まったコトです。

Chikaさん、写真お借りしました。


…以上が5年前mixiに書いた文章。
いやあ、懐かしい。
“グラビティ”のこと“アビリティ”書いてるし。
何人か懐かしい方も出ている。
「手持ち無沙汰の彼」とは、きっとはっしゃんのコトやな。

この時のことは勿論覚えていて、“11a”が登れたことが嬉しかった覚えもある。
しかしやはり“超お買い得11a”だったのだろう、自分で“11a”を登ったという印象が薄く、今日思い出すまで忘れていた。
まあ、自慢ではないが(自慢)、初めて行ったジム(パンプ)で5.10cが登れていたのだから、これくらいはできたのだろう。(イヤミやな)

しかし、この時はまだフリークライミングには興味がなく、ジムにはたま~に行く程度。
本腰入れて通いだすのは2年ほど後のことだ。

最後に。
この記事に書き込みしてくれた方への返事のコメント。


いえいえ、あのルートはホントに登りやすかったんです。
私が確実に登れるのはせいぜい10aまでですので
10aクライマー(そんな呼び方ある?)です。

私の課題は登ることより、むしろ支点構築やレスキューのシステムです。
あ、いや、登りもまだまだですけど。
なんせ頭悪いし、要領悪いし…
特に「会長さん」などに見られていたりした日には、思い通りにいきません…


…自分で書いていることが実に初々しい。
そういえばロープワークもまだまだ不安だらけだったっけ…

今回自分の書いたものを改めて読んでみて“初心”を思い出した。
ちょっとくらい上手くなったからって油断大敵。
むしろ今の自分の方が危ない。判ってるか?オレ。

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5年前のオレ。見るからに下手そうだ。

アルパインクライミング

PCの写真を整理していたら、懐かしい写真が出てきた。
去年の夏、剱岳のチンネへ行ったやつ。
自分で撮ったものではなく、パートナーのA阪さんが写したものだった。

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今、私が主にやっているのはフリークライミングである。
しかし、所属している山岳会はアルパインクライミングの会である。
よく、アルパインはカンタンで、フリーは難しい、とか、
アルパインは墜ちることが許されず、フリーは墜ちてナンボ、とか言われるが、
“自己責任”ということではどちらも同じで、私はアルパインとフリーを分けて考えるのはあまり好きではない。
とは言うものの、やはり私もアルパインとフリーでは登り方からして変わってくるし、
この“私の考え”を書き出すと長くなるので、この話はまた今度。

えー、なんだっけ?
そうそう、去年行った剱のチンネ。
取り付きまでが長くて、大変しんどかったけど、写真を見ていると、「また行きたいなぁ」と思えてくる。

最近は読まなくなったけど、新田次郎の山岳小説が好きで、単独行をしていた頃は、むさぼるように読んでいた。
“北穂滝谷”“北岳バットレス”“穂高屏風岩”“剱チンネ”“谷川岳一ノ倉沢”“甲斐駒Aフランケ”…
これらの岩場に、すごく憧れて山岳会に入会したのだった。
(単独で挑戦、と考えていた時期もあったが、限界を感じて山岳会に入った。今思えばホンマ危ない…)

山岳会に入ってクライミングを始め、今ではだいぶ、フリーの方に偏っている。
アルパインの方は、以前のような情熱は、正直なくなった。
なんだかこう書くと、すごくフヌケになってしまったように思えるが、「以前のような情熱」というのが少々異常で、ようやく現在人並みに落ち着いたのである。

以前は、そういう岩場に“ギリギリ感”というか、“ヒリつくような達成感”を求めていたが、
今はそういうのはフリーに任せてある。
アルパインでそんなギリギリやったら、命がいくらあっても足りない。

今年は屏風岩と、北岳バットレス。
この二つは是非行ってみたい。

アルパインでは、そんなガツガツせず、共に学んだ仲間たちとロープを結んで、一緒に達成感を味わいたい。
チンネの時もそうだったが、別に登攀自体に困難性があるわけではない。
どこかのルートでオッサンが、
「こんなルートがもし、烏帽子辺りにあっても、誰も登らんで」
と言っていたが、確かにそうやろな、と思った。

あの、日本離れした壮大な景観の中で、習った技を駆使しながら登るのがいいのである。
そして、終了地点で、「ああ、オレ、アルパインやってて良かったな」と心底思えるのがいいのである。
先人達が苦労して拓いた登攀路を、今でも脈々と登り継がれている“名ルート”と呼ばれている登攀路を、私も一度は登ってみたい。

かなり“ミーハー”的な考えではあるけれど。

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剱チンネ左稜線の核心ピッチ。

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2016年5月 5日 (木)

グラビティなんば 16年5/4

昨日に続いて昼過ぎからグラビティへ。
パートナーはO村さん。
左肘が癒えないので、無理はしない。

アップの10a、やはり肘が痛い。
左腕を使わないように登ることにした。

左手では引き付けない、伸ばさない、レストもしない。クリップは全て右手保持。
ある意味「限定」やな。
正面壁の右端から10台を。
黄色10c、オレンジ10d、結構キツい。

左端までいくと、そこにも10dと10c。
最後になっての10d(黒)、しかもカンテ裏(左手保持)にホールドがあって、かなりの難しさだった。
体感11c。

おかげで左肘は、ずいぶんマシになった。
しかし今度は右腕がおかしくなりそう。あんまりやらんとこ。

パートナーのO村さんは、山岳会では私と同期の一期生。
ただし、グラビティに通いだしたのは半年程前から。
見た目コワモテで、とっつきにくいが、とてもいい方。
おっとりした性格とは裏腹に、ガッツがあり、内なる炎を燃やしている感じ。
今回久しぶりに一緒に登ったが、ずいぶん上達している。
内心、こんなに上手くなっているとは思っていなかった。

今回は正面壁の右の壁にある11abに果敢にトライ。
この課題、ハイステップと体重移動のいい練習になる。以前、私も毎回やっていた。
体重移動が苦手なO村さんには、とてもいい思う。
この日は惜しくもRPは逃したものの、近い内に登れそう。
そして登れてからも、さらに楽に登れるように打ち込めば、かなり上達させてくれる課題。

その課題、私も久しぶりに。
足、乗れてねぇ…右腕フルパワー。
ホンマ上達してねぇな…

2016年5月 3日 (火)

“マンスリー11c”OS グラビティなんば 16年5/3

昼過ぎからグラビティへ。
左肘がまだ痛むので、無理はしない。

11cのマンスリー課題ができていた。☆印、Keiさん作。
早速トライ。1撃できた。OS。
11cのオンサイト、実はまだ2度目。何気に嬉しい。

その後違う11cを2本連続で。成功。
しかし、快進撃はここまで。
前回アッサリ再登できた、右端オレンジの11cはサッパリ。

その後も、1本目の11cは登れるが、2本目が登れない。
そのうち1本目も登れなくなった。
11bに落としても登れず。
ヤケクソで12cやってみたが、2pin目でテンション。そらそうか。
やっぱり11台と12台は全然違う。

今日は普段あまりジムで会えないN澤さんとA阪さんが一緒だった。
二人の登りは対照的。

若い頃体操選手だったというN澤さんは、瞬発力があり、デッドを多用、ダイナミック。
スキーをしているA阪さんは、バランスが良く、ハイステップでも崩れにくく、スタティック。

二人とも、週一回でも続けてやれば、すぐ上手くなるのになあ…もったいない。

2016年5月 2日 (月)

備中・山岳会合宿 16年4/29~5/1

あー、悔しい。
クライミングでこんな思いをするのは久しぶりだ。
備中、元祖奥の院にある課題、“ステップダンス5.12a”が落とせなかった。

思えば最近、遠征に行っても“宿題”を持ち帰らなかった。
(これは登りたい!)という課題は落としている。
次に行った時には必ず登ってやる!みたいなのがなく、
モチベーションを上げる為に宿題の一つや二つはあった方がええかな、
なんて分不相応な、ヘタっぴのくせに贅沢な思いもあった。

そしてそんなんだから、望みどおり“宿題”が提出された。

4月29日の夕方、なべぞうさんと待ち合わせて備中用瀬キャンプ場へ。
29日から5月1日までの3日間、備中の岩場で山岳会の合宿なのだ。
私となべぞうさんは29日に用事があり、遅れての参加。
キャンプ場に到着すると、既に宴会が始まっていた。

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すでに呂律が回ってない方も…

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翌朝。

30日、新しく拓かれた岩場に別れて行くことに。
メンバーの大半は、西林ロックへ。
イサミン、たにやん、K代さんと私の4人は、元祖奥の院へ。

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まず五つ星ルート“みちびき5.10c”でアップ。

そして早速、“ステップダンス5.12a”へ。
しかし1便目は下部ハング越えのムーブを決めるのにてこずり、その上でさらにヨレて終了。
2便目は一応ムーブを固めたものの、なんとなく確率が悪い。
降りしなに、左から登っていたのを右から登るラインを見つける。

そして3便目。
ハング越えでまたてこずり、登って降りてを繰り返し、3回目でようやく越える。
上部もさっき見つけたラインで、なんとか高度を稼ぎ、終了点まであと一手…

フォール。

ガバからガバなのに、そのガバが保持できないほどヨレていた。
でも、次は登れる自信を持って降りる。

4便目、知らぬ間に結構時間が経っていて、3便目からあまり時間が取れずにヨレたまま。
上部のガバを取れずにフォール。

ああ…思えばあの3便目。
いつもの気合が出なかったなぁ。

他にも“コーナーワーク5.11b”と“DONK(ダンク)5.11a”を1便ずつ出したが、登れず。
なんともしまらないクライミングだった。

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“みちびき”を登るK代さん。左のルートが“ステップダンス”。

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たにやん。

キャンプ場へ戻り、今夜ももちろん、宴会。

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食担のK西さん。ご苦労サマ。

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今宵のメニューはチーズフォンデュ!

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大いに盛り上がりました。

翌、5月1日。
朝起きると左肘がモーレツに痛い。
最近違和感があって、伸ばしたり曲げたりした状態で力を入れると痛かったのが、昨日のクライミングで悪化したようだ。
イサミンと長屋坂に行く予定だったが、みんなとリバーパークへ“まったり”クライミング。

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10a課題を登るK村くん。

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たにやんは“レスケープ5.11b”をRP、グレード更新。
そういやオレも初11bはコレだった。

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N川さん。

せっかく来たので、前回登れなかった“せせらぎ5.12a”を。
…ん?簡単過ぎる…?限定があるかも?
あっさりRP。

確かに“宇宙一簡単な12a”という噂は聞いたことがある。
でも、なんで前回、このルートが登れなかったんやろ?と思う。

前回来たのは1年半前、2014年の10月。
ジムで11cが登れたり登れなかったり。
まあ、成長したんやろ、ということにしておこう。
あまり納得できんけど。

合宿最終日で12時で終了。
終わってみれば6本、“まったり”という割には誰よりも登ったな。

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帰りに温泉に寄って解散。

あ、そうそう。
温泉でO村さん、「貴重品入れたロッカーの鍵がない!」と一騒動。

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腕にはめてました…

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