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2016年5月15日 (日)

大台ケ原 千石グラ“サンダーボルト” 16年5/14

大台ケ原、千石グラの“サンダーボルト”を登攀してきた。
パートナーは、先週の雪彦山に続いての、谷やん。
今回の千石グラ登攀は、6人。
イサミン-S橋さん、秀さん-M西くんの4人、2パーティーが、“サマーコレクション 9P 5.10c”、チョリオ-谷やんパーティーが“サンダーボルト 10P 5.10c”。
なお、グレードは新版日本の岩場(菊池敏之編著・白山書房)による。

14日の夜中、秀さんの車で大台ケ原へ。駐車場で仮眠。
7時半からビジターセンターでセミナーを受け、谷やんと私は、サマコレ班より先に出発。
サマコレには去年の春、イサミンと登攀、RPしていたので、今回サンダーボルトに挑むことに。
谷やんは、外岩経験も少なく、サマコレも未だ登っていないが、私のワガママでサンダーボルトに付き合ってもらうことになった。

いい気候で、暑すぎず寒すぎず。絶好のクライミング日和。

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アプローチで見かけたヤマシャクヤク。

8時に駐車場を出て、少々迷いながらも9時、サンダーボルトの取り付きに到着。

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「ちょっと1ピン目遠くないですか?」最初見ていたのは、“サンダーボルト2”の取付(写真中)。11a。間違い。少し右にホントの取付(写真右)。

準備を済ませ、9時半、いよいよクライムオン!

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1P目、5.10b、40m。緩傾斜のフェース。

いつも最初のピッチは緊張する。岩に慣れていないのと、体がほぐれていないから。
しかし慎重に登れば問題ない。
ほどなく終了点へ。

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1ピッチ目終了点(左)と、終了点から下を見たとこ。

谷やんもノーテンションで登ってきた。
10bでこれくらいなら、この先も楽やな(もちろん、そんなワケはない)。


2ピッチ目、5.10b、45m。緩傾斜のフェース。

だいぶ体も温まってきたが、慎重に。
しかし、半分ほど登ったところで、事故は起こった。

まさかの、痛恨のフォール。
当に、“痛恨”の、である。

別に難しい箇所ではなかった。
草付を乗越すのが少々煩わしいくらい。
その草付辺りのホールドを右手で取った時、ホールドが欠けた。
バランスを崩しながらも、左手で木の枝を持ったが、その枝も折れて(?)しまった。

ロープにぶらさがりながら、暫し呆然。
下から谷やんが「大丈夫ですか?」と声を掛けてきた。
右足が痛い。
フォールした際、壁にぶつけて傷めたようだ。
しばらくすると痛みはマシになったが、足首を動かすと痛い。
それでもなんとか登れそうなので、下に「登ります」と声を掛けて、登攀再開。

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フォール後、上を見上げる(左)。フォール箇所(右)。
ルートは草付を直上。草付が途切れているのは、左手で木を持った際、下の土もろとももげてしまったからと思われる。

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2ピッチ目終了後。悔しそう。

谷やんもフォローで登ってきた。
このピッチもノーテンション。フォローとはいえ、ザックを背負っての登攀。
谷やん、確実に実力が上がっているようだ。


3ピッチ目、5.9、30m。トラバース。

このピッチ、5.9とグレードが下がるので、谷やんトップやってみる?と訊いてみる。
が、遠慮するので、引き続きトップで。

左へトラバースするルート。ガバばっかり、との情報だったが、案外悪い。
岩が崩落した跡があちこちに見られ、どうやらガバは無くなったみたい。
ピンが見つけにくい上、ロープの流れが悪く、重い。
墜ちたらずいぶん振られるし、さっきのフォールのことが頭をよぎり、結構緊張した。

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谷やん、トラバースに苦戦中。

登攀後、谷やんによると、この3ピッチ目が一番大変だった、とのこと。


4ピッチ目、5.10b、15m。小ハング~左のクラック。
5ピッチ目、5.10c、15m。トラバース~フェース~小ハング。

3ピッチ目終了時点で12時10分。登攀開始から2時間40分。
本来もっと早いはずだが、私がフォールして時間をくってしまった。
時短のため、短い4ピッチ目と5ピッチ目を、連続登攀するかも、と谷やんに伝える。
連続するかは、4ピッチ目終了時点で決める、と。

この4・5ピッチが、サンダーボルトの核心ピッチ。
特に5ピッチ目は、他のブログでもテンションかけたり、A0を駆使したりと書いてあって、難しそう。

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4P目出だし。カブリ。

いきなりハングしていて、なかなかテクニカル。なんとか乗り越える。
その後も結構難しく、1・2ピッチ目と同じ10bとは思えない。

しかしなんとかノーテンでクリアし、4ピッチ目終了点から下を見る。
やはり15mは短い。次に上を見て、5ピッチ目のルートを確認。
最初のハング越えのところでロープの流れが悪くなるが、繋げても問題なさそう。

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4ピッチ目終了点から下。

5ピッチ目、いよいよ核心。
ハング部を右へトラバースするが、それでもカブッてるように感じる。
ホールドも悪く、細かい。
取り付いてみると、難…でも…面白い!

ここにきて、“フリー”クライミング本来の楽しさが味わえた。
サンダーボルトは、フリー化されたルートではあるが、どちらかというとアルパインクライミング要素の強いルートである。

右トラバースの後はフェースを直上、後、左上。
ここもいいホールドは少ない。
下を見ても、ビレイヤーの谷やんが見えず、
(ここで墜ちたら、結構落ちるんやろな…)と、2P目でのフォールが頭をよぎる。
が、なんとか無事に終了点へ。

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谷やん、奮闘中。

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もちろん、もう“なんでもアリ”です。

このピッチ、私は楽しかったが、谷やんにはさすがにキツかったみたい。
それでも根性出して、よく登ってくれました。


6ピッチ目、5.9、25m。スラブを左上。
7ピッチ目、5.9、25m。クラック~凹角。

一応、谷やんに「トップ、行く?」と訊いてみる。
しかし、かなり疲弊しているようで辞退。見るからにしんどそう。そらそうやろな。
6・7ピッチも、続けて登る。
疲労困憊の谷やんとザックを交換。
もちろん、谷やんは大丈夫です、と答えたが、私は右足痛以外は全然元気で、もうちょっと負荷をかけたかったので。

実を言うと、このピッチ、印象が薄く、あまり覚えていない。
ただ、やはりザックが重い。
登り初めはたいしたことなかったが、登っている内に、ボディーブローのように堪えてくる。
二人とも軽量化しているとはいえ、二人分の荷物でザックは5kgほど。
そら“フリー”のようにはイカンわな。セカンドの谷やんに、改めて感謝。

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6ピッチ目終了点より。

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7ピッチ目終了点より。50mほど一気にクライミング。谷やん(中央)がかなり小さく見える。

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谷やん、7ピッチ目のクラックに挑む。

終了点で、隣の方から声が聞こえた。
サマコレを登っているイサミンだ。
ちょうど6ピッチ目終了点のテラスで休憩中、こちらを見つけて声をかけてくれた。
こちらも大きく手を振って応えた。


8ピッチ目、5.10b、35m。垂直のコーナー。

7ピッチ目から続く凹角を登る。
でかい木が生えていて、これがまた邪魔。
ステミングで登るのだが、右足が痛い。
左壁はまだホールドがあり、左足はそのホールドに乗れるのだが、右壁はツルツルで、ステミングするしかない。
痛くて踏ん張りが利かず、効いているのかどうか分からない。
ツルっと滑って墜ちるかも、という恐怖と戦いながらのクライミング。
登りながら思い出したのが、グラビティにある、凹角黄色の11aルート。
ムーブがよく似ていた。谷やんも同じことを言うていた。

凹角が終わり、右のフェースへ出るところが核心、という情報があり、
この後、どんだけ難しいんやろか、と内心ビビッていたが、
こちらは案外アッサリこなせた。少し登って終了点。

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8ピッチ目、ステミングを駆使して登る谷やん。

ちなみに私は、この8ピッチ目が一番堪えた。ほんまにキツかった。

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8ピッチ目、凹角を抜けた後。


9ピッチ目、5.9、25m。右へトラバース~木を越えて左上。

簡単なフェースを右上。テラスに出るが、ピンを見失う。
ずいぶんウロウロしたが、ブログで見た10ピッチ目の取付を見つけ、そばの木で終了点。
ルートが合っていたかは定かではないが、まあええか。


10ピッチ目、右5.11a/b・左5.10b、30m。ハング~右上してスラブへ。

いよいよ最終ピッチ。
時刻は16時40分。ここまで7時間10分。
日没までには、まだずいぶん余裕がある。
ここで、私は右の11a/b(100岩場では5.11b)のルートを登ってみることにした。

谷やんにそれを言うと、(コイツならそんなこと言い出すやろな)みたいな半ば諦めた表情で、承諾してくれた。

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10ピッチ目取付。カブってます。

木に登って、1ピン目プリクリップ。
ザックはまた自分のに替えてもらい、ギア類も減らしてトライ。
最初、5級程のボルダームーブ、とあったが、当にそんな感じ。
気合一発でクリアし、真正面のカブリ壁へ。

カブリ壁は高さ2m程で、左に10bルート、正面に11a/bルートがある。
11a/bルートの2ピン目にクリップし、しばらく観察。といっても、壁の向こうは見えない。

ピンの左にガバっぽいホールドがあり、それを左手、右手はピンそばのスローパー。
思い切り引き付けて壁の向こうを覗く。
(なんや!ホールドだらけやんけ!)
思いの外ゴツゴツしていたのに安心し、右手を出す。
ガバやと思ったのにスローパー。
(チッ!)
左手を出す。またスローパー。
(何!?)
急いで右手。またもやスローパー。
(うお!?ヤバい!)
声を張り上げ、大慌てで左手。ようやくカチ。
(た、助かった…)
右手でガバを保持し、一安心。
やはり11台は甘くなかった。いや、ホンマ、危なかった…

あとは簡単なスラブを登り、木で終了点。
谷やんは10bルートを登ってきた。
こちらもしんどいようで、声を上げていた。

登攀終了、17時40分。

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お疲れ、谷やん。

登攀を終え、喜びを分かち合い、健闘をたたえあい、しばしくつろぐ。

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(あ~、つかれた~!)

結局、10ピッチ(実際は8ピッチ)全部トップで登らせてもらった。
テンションは2ピッチ目のフォールのみ。
悔しいし、自分の未熟さに腹が立つ。

しかし、谷やんとのクライミングは楽しかった。
恵まれたパートナーと充実したクライミングができて、本当に良かった。
当のパートナーがどう思っているかは、定かではないが…

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夕暮れの千石尾根。

久しぶりの平らな場所で座り込み、クライミングシューズを脱ぐ。
と同時に痛みがこみ上げてきた。
痛みはどんどん増してきて、まともに歩けない程に。
足首を動かすと激痛が走り、右足に体重を乗せるだけでも痛い。

(なんてこった…)

クライミング中も痛かったが、これほどひどくはなかった。
恐らく、また例の脳内麻薬で痛みを抑えていたのだろう。
まさか、こんなにヒドいとは…
おそるべし、オレ。
こんな足で、いったいどうやって残りの8.5ピッチを登ったのだろう?

木の枝を杖に、なんとか駐車場へ。
サマコレを終えて先に戻っていた仲間達が出迎えてくれた。

遅い夕食は、やたらボリュームのある台湾料理店へ。
今回も完食できず、残してしまった。

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M西君とイサミンは完食。すごいな。

帰りはわざわざ家まで送ってもらった。
秀さんも疲れているのに、ありがとうございました。
正直、ほんま助かりました。

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コメント

サンダーボルト、お疲れさまでした。
自分もチョリオさんと一緒で、怖楽しくクライミングできました。
決定的な瞬間もおさえてもらってて、自分への戒めにもなりますね(;^_^A
つるべなら、もっとスムーズですし、今度はトップも何ピッチか出来るように、また精進します。

足首、どうかお大事に。
復活したら、また一緒にロープ結んでやってください。

サンダーボルト完登おめでとうfuji
それからねんざの方は、お大事に!

taniyan、コメントありがとう。
サンダーボルト、いろいろあったな。でも楽しかった。
またいつか、一緒に登ろう。当分ええわ。3年後くらい(笑)
そん時、上達が実感できるとええな。
捻挫治ったら、またよろしくね。

Pahottiさん、コメントありがとうございます。
捻挫、ぼちぼち治します。

キーワードの『チョリオ』をうっかり忘れてしまい、チョほにゃらら…で検索しまくってもなかなか行き着けなかったところ、ひじりんに聞いてやっとこれました。
前回の打ち上げの時、行きたい山を作ったら?とセンパイに教えていただき、ならば関西で1番長いマルチができる場所を!と恐れ多くも目標に据えたサンダーボルト。奇しくも会で1番のテクニシャンだと誉れ高きコウさんが最近チャレンジされていたとは!身の程しらずも甚だしい。それでも臨場感溢れる内容に、私もいつかは…と憧れる想いが強くなりました。

miyuさん、こんばんは。コメントありがとうございます!

>キーワードの『チョリオ』をうっかり忘れてしまい、
はは、メールくれたら良かったのに。

“サンダーボルト”、楽しいルートですよ。いつか是非チャレンジしてみてください!
…その前に、ジムで特訓しとかんとね…

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