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2016年3月23日 (水)

“Morisama5.12a/b”RP 備中長屋坂 16年3/21

備中3日目。

長屋坂は、昨日ほどの混雑はなかった。
いい天気。暑くもなく寒くもない、春らしい気候。クライミング日和。
この日は、イサミン、K本ちゃん、アキトくんに、Y村くん、I村さんと私の6人。
山岳会の人達は、昨日に引き続きリバーパークへ行った模様。

“ザグ”でアップ後、“Morisama”1便目。
下部核心を抜け、レスト後、上部核心でフォール。
やはり確率が悪い。

ちょっとまた探っているうちに、突然閃いた。
試してみると、
(イケる!)
少し、光が見えた。

核心後のガバ地帯。
前日までは右が濡れていたので、左側を登っていたのに、この日は左が染み出していた。
(なんでやねん)
試しに足を乗せてみると、ツルツル滑る。とても登れたものではない。
右側を登るルートで、ホールドに目星を付け、降りてきた。

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長屋坂、快晴。

2便目。
上部核心はさっき思いついたムーブでクリア。
あまりヨレてなかったので、“イケる!”と思ったが、最終ピン手前で迷ってるうちにパンプしきってフォール。
昨日と今日とでは、ルートが変わっていているので、焦ると混乱してしまった。
直上するのに、左に見覚えのあるホールドがあり、それを取りに行ってしまったのである。(昨日まではそのホールドを使っていた)
あー、悔しい。惜しかった!

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Y村くんも“Morisama”

3便目。
間違いさえしなければ、RPできそう。
そんな想いがあった。
たぶん、緊張していたと思う。
ロープを結びながら、靴を履きながら、意識して深呼吸ばかりしていた。

ビレイヤーのK本ちゃんが、
「アカンかっても、あと2便出せるよ」
と声を掛けてくれた。
(それもそやな)
すごく気が楽になった。
安全確認の後、
「核心後のレスト、5分でも10分でも遠慮なく」
という言葉に笑って応えたつもりだったが、笑顔になっていたかどうか。

さて。
いい天気。
緊張してるけど、それも含めて、楽しもう。

最初の核心。
難なく超える。
もう、あまり“核心”ではなくなってきた。

ガバを掴んで、次の核心前で大レスト。
チョークにまみれたガバを両手で持って、腕を伸ばし、腰を沈める。

「ぐき」
(あ)
しまった。ぎっくり腰だ。

実は、朝から腰に違和感があった。
が、まさかここでくるとは。

ここで頭をよぎったことは、
(この便で落とさないとRPはない)
ということだった。
降りようとは、全然考えなかった。

上部核心。
右足ハイステップ後、右手縦カチ。
止まった。クリップ。

3手ガバで繋ぎ、クリップ。
腰はなんとなくフワフワして頼りない感じだが、痛みはない。
それよりパンプしないうちに登らんと。

覚えたての手順でどんどん高度を稼ぐ。
ホールドはいいけど、どんどんヨレてくる。
さっき左に行こうとして間違えた箇所。
思い切り伸び上がって、直上、ガバを掴む。クリップ。最終ピンだ。

息が上がる。喉がカラカラ。
左の遠いカチ。
左手で保持、右手を寄せてマッチ。
体重移動。
体が言うことをきかない。
声を出して気合を入れるが、喉が渇いて出たのかどうか。

さらに左へ体重移動。
マッチした右手が外れそう。
体が剥がれる前に、なんとか左手で次のホールドを掴んだ。

そこからすぐ上が終了点。
ロープを掛けた途端、嬉しさが込み上げてきた。
「おっしゃぁー!」
声を上げた。

大声を出したつもりだが、本当に出ていたのか。
声が出ない。
荒い息を吐き、唾を二、三度飲み込んで、喉を潤した。
下に向かって「テンション!」と声を掛けるのに、たっぷり10秒以上かかった。
「他に誰か登りますか?」と訊くのに、さらに時間がかかった。

“Morisama”のトライは、今までで最高のクライミングだった。
全てを出し切った。
腕はパンパンにパンプし、指は震えて伸ばすことも握ることもできなくなっていた。
喉は渇き過ぎて、熱い呼吸をする度、ひりひりした。

下に降りると、みんな祝福してくれた。
ありがたい気持ちでいっぱいだったが、私は立つのも覚束なかった。
ロープを解き、ハーネスを外す。言うことをきかない指がもどかしい。
いつも持ち歩いている腰痛用の塗り薬とシップを、アキトくんに頼んで貼ってもらった。
I村さんは、飲み薬をくれた。コルセットを絞め、これで万全。
のはずだったが、時間とともに、痛みはどんどんひどくなっていった。

ぎっくり腰とは長い付き合いである。
なった場合の対処法も心得ている。
薬を塗って、コルセットを絞めて、なるべく動かさないこと。
なのだが、なにしろ今回は、なった直後に激しい運動をしてしまっている。
通常なら、痛くて動けないのだろうが、恐らくまた、脳内麻薬が出まくっていたのであろう。
登っている最中、痛みは全然感じなかった。
ああ、かなり傷めてしまったようだ。
RPは嬉しいが、高い代償を支払うことになった。

この後、クライミングはもちろん、ビレイもできなくなった。
それどころか、歩くのもやっとだった。
よぼよぼ歩いていると、人とすれ違う度「大丈夫ですか?」と声を掛けられた。

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イサミン“女王様”。全然アカン感じ。

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それを、あーだこーだ言う二人。

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K本ちゃん“女王様”。だいぶ精度が上がってきた。もうひとふんばり。

RP後、私は当にフヌケだった。
ぽかぽか陽気の中、ボーっと他の人のクライミングを眺めて過ごした。

山岳会の人達のクライミングが終わったらしく、A坂さんとN澤さんが長屋坂へやってきた。
他の人は帰ったらしい。
二人ともクライミングはしないらしく、見学者が3人に増えた。

夕方、アキトくんの“ストライクバック11b/c”ラストトライ。

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見事RP!
さすがに地力がある。強いわ。

クライミングを終え、みんなで夕食。後、解散。
私はA坂さんの車に乗せてもらった。
普段なら運転するが、今回は後部座席を占領して横にならせてもらった。
そればかりか、A坂さん、遠回りして自宅まで送って下さった。
これには心底、助かった。ありがとうございました。

翌日。仕事。
クソ重い機械やボンベを持って、小学校の階段を、5階まで4往復。
気が遠くなりかけたが、“Morisama”のしんどさを思い出したら頑張れた。

P3216443
“Morisama”のメモ。黒字は去年10月に書いたもの。
赤字は今回修正した部分。ほとんど変わっている。

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払った代償はデカい…

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コメント

日記を一通り拝見させていただきました。
とてもとても、クライミングに熱中して真剣に取り組んでおられるのですね。ビックリです。

ところで偶然なのですが、私も3/20-21に初めて備中の岩場に行きました。
備中は、県内外から腕自慢が集う岩場で、岩場の豊富な中国地方屈指
の岩場。おまけに「備中グレード」は辛いと聞き、外でもジムでも、
10a-bをウロウロしている私にはエンがないと思ってました。

最近は、「一ルンゼ」や「木の村ロック」に、低いグレードもできたという
ことで、このときの遠征となりました。

Pahottiさん、コメントありがとうございます!
自己満足の日記を読んでもらえて嬉しいです。

Pahottiさんも3月20日21日、備中にいらしてたのですか!?奇遇ですね。
この時、私の所属する山岳会のメンバーが行っていた「リバーパーク」というエリアが、比較的登り易いらしいですよ。

難しい長や坂や、ニューエリなどは知らないので何とも言えませんが、
1ルンゼと木の村、それに夜泊まった杉田商店さんのコテージは、お風呂も
有って、キッチン用具も揃っていて快適でした。
備中は、4-600?もルートがあるらしいですね。

つれあいが20年近く冬は備中に通って詳しいのですが、私と違って5.12
(時に5.13)を集めているのでずっと違うパートナーと通っています。

私はマイペース。この6年は、マルチを中心につれあいに付き合って
います。広島に島根、高知、伊豆、瑞垣など地方に行けるのはそれだけ
で楽しいです。

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