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2016年3月 6日 (日)

“ワンマンショー5.11d”RP 不動岩 16年3/5・6

(もってくれよ、ドラゴン)
私は、ソールに付いた土を落としながら、愛用のシューズに話しかけた。

イメージばっちり、気合も十分。
(絶対、落とす。)
登り始めた。

遡って昨日、3月5日。
不動岩正面壁、メンバーは山秀さん、K本ちゃん、Y村くん、I村さん、アキトくん、そしてM西くん。
M西くんは、約半年ぶりの参戦だ。

初夏のような陽気だった。
“ワンマンショー”4便。登れなかった。
最終の4便目は、取れたと思ったカチが滑り、まさかのフォール。
ヨレも少なく、決めておきたかった。

登れたはずの便で墜ち、ちょっと自信が揺らいだ。
(タイコの二の舞かも…)
“タイコ”でもう、RPできるハズやのに、なぜかフォールを繰り返した記憶がよみがえる。

(手数が増えるけど、楽なムーブに変えよかな…)とも考えた。
(いや、これでいけるハズ。明日登れへんかったら、そん時考えよ)

そして今日。3月6日。
メンバーは、Y村くん、I村さん、アキトくん。
天気予報が悪かったせいか、いつもの日曜日と比べて、かなり空いていた。
曇っていたが、気温は高く、時折吹く風が気持ちいい。

“ワンマンショー”の1便目はマスター。
マスターはさすがにキツく、窮屈なガバでテンション。
マスターだと、引付けを2回、あっという間にパンプしてしまった。

2便目。
(絶対、落とす。)
下部スラブ、隣の“小熊物語”にトップロープが張ってあって、少々登りにくい。(スラブの3ピンはワンマンショーと共用)
3ピン目、小熊のロープではなく、自分のロープをはずしそうになった。
(ボケた、アブネ…)

緊張のスラブを越え、薄カブリ~垂壁へ。
少々遠いガバをつないで登っていく。
他の人の登りを見ていると、たいがい中継を入れてつないでいるが、私は一気に取りにいく。
スピード勝負と決めていた。
取った箇所が多少悪くても、持ち直さない。どうせガバやし。
足置きも決めているけど、違っても構わない。さっさと次を取りに行く。実際、間違えたし。

窮屈なガバに到着。
引き付けてクリップ。
肘を曲げてる姿勢はよくない。
足を下げてレストするのもアリだが、休まない。

右手ポケットから左手スローパーをデッド。
声が出た。
すかさず右手ガバでクリップ。

この先が、私の核心。
皆が中継を入れて取りに行くカチを、一気に取る。
先ほどと違い、ここの足置きは重要だ。
身長ギリギリで取りに行くので、適当に置いたら届かない。
右足を、丁寧に5mmくらいの棚へ。
左足を、少し遠くの1cm弱の出っ張りへ。
ためらわず、一気に伸び上がる。

昨日は、このカチで墜ちた。
が、今日は止めた。
声を出し続ける。

左手、ガバカチ。
クリップ。
一安心。
パンプしてる?
いや、確かめなくてもいい。
慎重に。

足を上げ、右手ガバ。
安心するな、慎重に。
足を上げて、さらに上へ。

終了点は目の前にあった。

“ワンマンショー5.11d”RP!
やったー!嬉しい~!

喜びを胸に降りてくると、下のみんながおめでとう!と声を掛けてくれた。
「気合、入ってましたね!」
「声、不動中に響いてましたよ!」
(んん?そんなに?)

P3065930
ビレイしてくれたアキトくんと。

P3065928
なんとかもってくれたドラゴン。残ったソールは恐らく0.5mm以下。
すぐリソール出したるからな。

RP後、しばらく呆けていたが、気を取り直してアキトくんと西壁へ。
“たんつぼ小僧5.11d”にチャレンジ。

たんつぼ小僧(なんでこんなルート名…)は、正面壁と違い、ボルダー課題。
ボルダーが苦手な私に登れるワケがないわな。
おまけに、はっしゃんにもらったUS10.5のブカブカ靴やし(ドラゴンはUS8.5)。

P3065922
それにしても、さすがは“世界の”アキト。
強烈なムーブで見事RP!

ちなみに私も彼のムーブ試してみたけど、全くムリ…

正面壁に戻って、“タイコ”、マスターで。2テン。
“小熊物語”テンテン。
タイコはともかく、小熊物語はものの見事に忘れてて、全然登れず。
でも、ブカブカの靴でスラブをクリアできたので、まあ良しとするか。

5時。日が長くなったとはいえ、ちょっと暗い。
Y村くん、“ワンマンショー”4便目。
前の便、気迫のクライミングだったが、惜しくもフォール。
今日、決めておきたいはず。

P3065958

彼の登りは、無駄が少なく、スマートだ。私と違って、理詰めな感じがする。
きれいに高度を稼いでいく。
しかし、上部、さすがにキツそう、スマートさが徐々に失われていく。
私と同じ箇所で声が出た。彼にしては珍しいらしい。

しんどい気持ちがよく解る。声援を送る。下にいる全員、応援していた。
期待に応え、力を振り絞り、見事RP!
最後の方は、泥臭い登りになったけど、だからこそ、彼の気迫が見る側に伝わってきた。
ナイスクライミングやった。いいものを見せてもらった。

P3065970
彼の表情が、全てを物語っている。

今日は3人“11d”をRPできた日でした。
こんなん、もうないやろな?

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