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2011年4月の5件の記事

2011年4月20日 (水)

雪彦山 2011年4月17日

先日、兵庫の雪彦山に登ってきた。
雪彦山は2度目。前回登ったのは2001年の11月。
もう10年も経っているが、それでも(面白い山だった)という記憶は残っている。

今回のメンバーは、はんていさん、nakamuraさん、チョリオのオッサン3人。
そもそも今回は、フツーのハイキング行きましょう、ということで、
nakamuraさんが「じゃ、雪彦山行きません?」と提案したのが始まり。
しかし集合した時に、はんていさんが「50mロープ持ってきた」という所から、なんだか雲行きが怪しくなる。

「こんなこともあろうかと」と私も負けずにヘルメットとハーネスをザックに詰める。
これらの装備は結局、ほとんどただのお荷物だったのだが、
なんとなく気分的に“ハイキング”から“岩遊び”への色が濃くなったのは確かである。

そんなこんなで登山口に駐車、登山届けを出して、9時出発。
のっけから急坂である。nakamuraさんは“酒抜坂”と呼んでいる。
前日の酒を抜くのにちょうどいい、ということらしい。

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登山口にて。

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nakamuraさん。酒、抜けました?

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急登が続く。

20分ほど登ると尾根に出た。
そこが展望岩で、正面に大天井岳、不行岳、地蔵岳が大迫力で出迎えてくれた。

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地形図とは別に、一般的にはこれらの岩峰群が雪彦山と呼ばれているらしい。

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岩峰をバックにはんていさん。

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でかいトカゲ、捕まえた。

展望岩からしばらく歩くと出雲岩に到着。
nakamuraさんが「この辺り、クライミングのゲレンデですよ」と教えてくれる。
なるほど、たくさんハーケンが打たれているのが見える。が…
いきなりハングばかり…(これはアカンで…)
と思いつつ、はんていさんがビレイしてくれるというので、少しだけ登ってみた。

今回はクライミングではなく、あくまで“岩遊び”。
「チョリオくん、そこの岩棚までやで」とはんていさん。高さは4mほど?
「わかってますって」(って、たぶんムリやで…)
と思った通り、岩棚どころか、ほとんど登ることなく終了。

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出雲岩。アカンやろ、コレは…

この出雲岩で思いのほか時間を取ってしまったが、再び出発。
やたら狭い岩の間を通り、また展望のよい覗き岩に到着。

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狭い岩の間を抜ける。

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大柄なnakamuraさん、辛そう。

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覗き岩にて。

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覗き岩より下を覗く。

この後、いくつか鎖場を越える。
なぜかみんな鎖を使わない。暗黙のルールのようだ。
馬の背を越えて、いや、となりにトラバースルートがあるのに、
文字通り馬の背を越えて、大天井岳に到着。11時30分。
ここで昼食。日曜日の好天とあって、今日は登山者が多い。
バッジを売っているおじさんが印象的だった。昔の私なら買っていたに違いない。

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鎖やロープは、なるべく使わない、が今回のルール(?)

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大天井岳を辞し、しばらく進んで天狗岩。
この天狗岩が“岩遊び”にぴったりで、ザックをおろし、みんなで勝手なルートで登ったり下りたりして楽しんだ。

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天狗岩から先程までいた大天井岳を見る。

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上の写真を撮っているところ。

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天狗岩での“岩遊び”

天狗岩から先はなだらかな道で、しかも植林帯。
さして面白味もないが、とりあえずピークを踏もう、と進む。
12時51分、雪彦山頂上に到着。ここでも大休止。

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スミレ。

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コブシが咲いていた。

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アップで。

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さっきまでの岩場とは一転、金剛山地の趣き。

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雪彦山山頂。

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お、日輪。天気下り坂かな?

山頂から来た道を引き返し、天狗岩辺りの分岐で虹ガ滝へ下る道を行く。
この道は鎖場が多く、nakamuraさんオススメのルートである。

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ここでもやはり、鎖は使わない。

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あ…使ってしまったね…

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けっこう長いルート。

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あ…

この鎖場でちょっと変わった女性と出会った。
一人で我々と同じように、鎖を使わずに岩を登ったり下りたりしている。
少し話しをすると、堰を切ったかのように自分のことを話し始めた。
「…その娘がね、ワルイオトコと結婚しそうになってハラたったから雪山に行くんです!剱岳!だから練習してるんです!」
「そ、そうですか…」オッサン3人はのっけから食われ気味。
「これから下山ですか?ご一緒させてもらってもいいでしょうか?」
「え、ええ…」主導権は完全に彼女に移っていた。

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いつの間にかメンバー1人増えてるし。

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「これ、登れそうですか?」「う〜ん」「とりあえず登ってみましょ」

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地蔵岳到着。14時36分。

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岩壁をバックにオッサン3人。

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この花なんだったっけ?毎年忘れてる…

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これは憶えていた。ミヤマカタバミ。

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クライミングのゲレンデまで行ってみよう、とルートを探る。

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ゲレンデより岩壁を見上げる。ほんまにこんなん登れんのか?

下山路は知り合った女性が「バリルートで下りませんか」と提案、もちろん賛成のオッサントリオ。
そのバリルートを下っていると、途中で「さらにバリルートがありますが、行ってみます?」とのこと。
是非もなし。完全にこのお姉さん(と言っておこう)主導である。
バリのバリやからバリバリルートやな。
しかしお姉さんも、あまりよく憶えていなかったらしく、
「こっちかな?間違ってたらどうしよう?ま、いいか、二度と会うことないし。はは。」
えー、独り言が思い切り聞こえてますけど…

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カツラの木。

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佇むnakamuraさん。

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ミツマタの花。

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雪彦岩峰群を眺め、旅の最後を締めくくる。

16時52分、登山口に戻ってきた。
お姉さんと別れ、我々は一路大阪へ。
後部座席では、はんていさんとnakamuraさんが早くも酒宴を開いていた。

のんびりハイキングのはずが、メニュー盛りだくさんのガッツリ登山になってしまったが、
本当に楽しい一日だった。お付き合いいただいた、はんていさん・nakamuraさん、
と、謎のお姉さん、どうもありがとうございました。

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山帰りの居酒屋にて反省会。

2011年4月 5日 (火)

貝塚・二色浜海岸 2011年4月1日

「あっちゃん、山、行くか。」
「山よりうみがいい。」
「そ…そうか…」
こないだ家族で近くの海岸へ行って磯遊びをしたのが、ずいぶん気に入ったらしい。
お父さんは久しぶりに親子で山登りがしたかったのだが、仕方ない。

同級生のダイスケ君も誘い、3人で貝塚の二色浜海岸へ向かった。

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車の中。

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海に到着。いやが上にもテンションがあがる。

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3人とも長靴を履いてやる気満々。

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たんぽぽがいっぱい咲いていた。春というより初夏の陽気だった。

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オオイヌフグリもたくさん見かけた。
…実は今回、いただいたデジカメを初めて使ってみた。マクロ撮影のテスト。

磯に着いた。
うまい具合に潮が引いている。
引き潮の時間を調べて行ったから当たり前なのだが。
先にメシ食うかぁ、と尋ねても、もうソワソワの二人。
よしよし、行ってこい。

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さっそく…

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大きな石を…

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二人で力を合わせて…

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ひっくり返すと…

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カニがいっぱい捕れた。

石をひっくり返すと、カニや小魚、ヤドカリなどがいっぱいいる。
子ども達はもう夢中である。
「おとうさ〜ん、でっかいカニ〜!」
「おっちゃ〜ん、つかまえて〜!」
お、お呼びが掛かった。

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ほれ、捕まえた。ダイスケ君、ちょっと怖いのか少々緊張気味?

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「あっちゃんもつかまえたで!」

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あっちゃんの持っているのは100均の台所用品コーナーで買った掬い網。
本当はメダカを掬うような網が欲しかったのだが、売っていなかった。

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はさみがとれたカニがいた。これならダイスケ君も大丈夫。

めぼしい石は全部ひっくり返し、獲物はだいたい捕り尽くした。
この辺りの小さい生き物達にとっては災難だろうけど、まあ許せ。後で逃がしてやるからな。

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おお!ダイスケの弁当、うまそうやな!
ウチのはハンバーグ(冷凍)と肉団子(551蓬莱)の肉肉弁当。

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食後はテトラの方や、砂浜の方へ行ってみる。

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砂浜では貝殻を拾ったり、クラゲをつまんでみたり。

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しばらくして元の磯に戻ってきた。再び石をひっぺ返してカニ捕り。

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「あっちゃん、このカニは何ガニ?」
「モクズガニ」
「おお、よく分かったな」
こないだ捕まえた時に、帰ってから図鑑で調べたのを憶えているのである。
「オスかメスか」
「オスやで」
「なんで分かるん?」
「おなかのとこ、三かくやから」
「よしよし、えらい」
まあ、基本問題やけどな。

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どっさり捕まえました。この後みんな逃がしてやりました。

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二人ともやっぱりズブ濡れになった。

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車に戻り、着替えた後は…

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小さな水族館へ(無料)

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満足したかい?

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アサリを捕っているおじさんが「マンジュウガイ、持って帰り。うまいから」と持たせてくれた。
マンジュウガイとはツメタガイのことだった。ちなみにアサリなど二枚貝の天敵。
バターで炒めて醤油をかけて食ってみると美味かった。

爺ヶ岳南尾根より鹿島槍ヶ岳(2) 2011年3月18日〜20日

凄い風だ。
雪煙が渦を巻いて空へと舞い上がっていく。
鹿島槍ヶ岳の前衛峰、布引山へは長い登りである。
荷物が軽くなったとはいえ、疲れた足には堪える。
本当に、過酷な登りだった。
登るにつれ、さらに風は強まっていく。
まだ、これ以上強くなるというのか、と感心してしまうほどの烈風である。
もはや、普通に立っていることもできない。
もし、風に掠われたら。
風下、右側には張り出した雪庇が見える。その向こうは…空中である。恐らく深い谷だろう。

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大きな雪庇。

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雪煙。

いつの間にか独特の歩き方をしていた。
右足、つま先を風下に向けて一歩。
左足、つま先を頂上方向に向けて一歩。
右手に握ったピッケルを突き刺す。
これを素早く行い、風に背を向けた耐風姿勢で休む。

山頂を見る。頂はガスに覆われて見えなかった。
(なにもこんな時に山に行かなくても…)
オレだって、そう思う。本当に、そう思っている。
しんどい。辛い。苦しい。寒い。寂しい。怖い。
そして、いつもは感じるはずの、ぎりぎりの充実感も、今回は感じない。
全く、楽しくない。

布引山を越えた。
最後の登りは雪が飛ばされ、地面が見えていた。
岩を掴みながら這うようにして登った。
16時13分、鹿島槍ヶ岳南峰、登頂。
達成感は、なかった。
感動も、ない。

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鹿島槍ヶ岳頂上到着。

山頂は相変わらずガスに覆われていたが、時折ガスが流れて青空が見えた。
バンダナショットを撮ろうと試みたが、強風のためうまくいかなかった。
五竜岳へと続く稜線を見てみようという気持ちも湧かず、すぐさま下山を始めた。

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バンダナショット、失敗。

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烈風の尾根。

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下山は早い。
相変わらずミスの許されない、緊張の連続ではあるが、
登る時と違い、高度を下げるにつれ、風がだんだん弱まってくるのが分かる。
布引山を再び越え、おおかた下りてくるとようやく気持ちにゆとりが出てきた。
日の没する西側の景色がきれいだった。
冷池山荘は樹林帯にあるため、展望があまりよくない。
この辺りで夕景の写真を撮り、18時に小屋に戻った。

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剱岳は雲に隠れてしまったが、雲間から光が差す光景が見られた。

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爺ヶ岳に最後の光が差す。

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いわゆる“天使のカーテン”

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鹿島槍方面。ピークはずっとガスに覆われたままだった。

小屋内にテントを張り、コンロに火を点ける。
ようやく人心地がついた。
昨晩に続き、チキンラーメンを作る。
依然、食欲はなかった。この日も朝からほとんど何も食べていない。
お菓子少々とカーボショッツ1本。
それなのに、チキンラーメンを半分も食べると吐き気がしてきた。
我慢して全部食べる。後は昨晩と同じように小説を読み、眠りに就いた。

目が覚める。また23時半。
(またか。またなんか。)
長い夜を思うとうんざりした。
iPodを出して音楽を聴く。
色んな考えが頭に浮かぶ。なかなか眠れない。眠ったのは、たぶん朝方。

20日朝。また少し寝過ごした。
カメラを持って外に出てみる。晴れていた。
やはり展望は良くなく、木が邪魔して鹿島槍や剱岳は見えない。
少し、北へ登るか、南へ下るかしたら朝陽に染まる鹿島槍や、剱が見られたかもしれない。
しかしその気は起こらない。
以前まですごく見たかった光景。
今回の山行は、そもそもそれを見たいがために計画したはずだったのだが。

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朝。

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頸城山塊。

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何枚か朝の風景を写真に収め、小屋に戻って下山準備。
8時、お世話になった冷池山荘を後にした。
来た時と同様、最初は樹林帯のラッセル。
ただし、ワカンを着けていたし、トレースも残っていたので、登りの時ほど苦労はしない。
それでも冷乗越に着いたのが8時38分、40分近くかかった。
地図上で10分の距離である。

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爺ヶ岳。左下に雪に埋まった冷池山荘が写っている。

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雪庇。

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冷乗越から剱岳。

冷乗越からは爺ヶ岳の登りである。
ラッセルから解放される代わりに強風の洗礼を受ける。
ワカンを外し、アイゼンに履き替える。

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爺ヶ岳の登り。

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連山の向こうに頸城山塊。

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稜線上は絶えず強風が吹いている。

登りの、一歩一歩が辛く、苦しい。
息も絶え絶えに、爺ヶ岳の南峰に着いたのが11時37分だった。
冷乗越から3時間も掛かってしまった。

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爺ヶ岳南峰。向こうに剱岳。

ここからは下るばかりである。
下りてしまうと鹿島槍ヶ岳は見えなくなってしまう。
今一度、その姿を見る。
曇ってはいたが、鹿島槍ははっきり見えた。
美しい姿だった。厳しく、冷たく、凛と立っていた。
もっと感動するかな、と思ったが、相変わらず感動は薄かった。
それどころか、昨日本当にあの頂に立ったのだろうか、なんて思ったりした。

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剱岳。

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鹿島槍ヶ岳。

下りは早い。
1時間で一昨日の幕営地、ジャンクションピークに着いた。
ようやく風から解放され、ここで大休止。
樹林帯に入り、またツボ足が始まったが、下りは楽である。
いつの間にか空はどんより雲に覆われ、雪が降り始めた。
一度、尾根を間違えて沢側に下りてしまって時間をロスしてしまった。
それでも最後の沢部分は一気に尻セードで滑り降り、登りで2時間半費やした所を5分ほどで下りた。
15時22分にアルペンラインの舗装路に出る。
下りてきたら、雪は雨へと変わっていた。

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“沢側に迷い込まないように”とわざわざ書いてあるのに、迷い込んでしまった。

アルペンラインに積もっていた雪はあらかた溶けてしまっていた。
雨に打たれながらとぼとぼと歩く。
傍らを何台かの車とバスが走っていった。
アルペンライン開通に向けての準備かなにかなのだろう。
16時42分、冬季ゲートに到着。

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冬季ゲート到着。

(終わったな…)
今回も過酷な登山だった。
恐らく、自分独りの力でできる、ギリギリのところだったと思う。
天候も良く、素晴らしい景色に恵まれ、まさに思った通りの登山だった。
ただ、ついにオレの心が晴れることはなかった。

それでも、オレは、頂を目指した。
なぜなんだろう、と思う。
登っている時、眠れない夜、散々、考えた。
いや、今回の山行中、絶えず思考から消えることがなかったと思う。
わからない。
結局、わからない。
でも、もう、わからなくてもいいや、という気分になっていた。

大町市民浴場で体をほぐし、途中のSAでソースカツ丼を食べる。
間違えて新名神に入ってしまったりしたが、0時過ぎには帰宅することができた。
ムスコの寝顔を見る。
気持ちよさそうに眠っている。
自然と顔がほころぶのがわかった。
なんだか笑うのは久しぶりだな、と思った。

22

2011年4月 2日 (土)

爺ヶ岳南尾根より鹿島槍ヶ岳(1) 2011年3月18日〜20日

なにもこんな時にまで山に行かなくても…

先程から猛烈な風が山にへばりついているオレを引っぺがそうとしている。
絶えずゴオッという轟音が聞こえてくるが、
それでも嫁さんの言った言葉が耳にこびりついて離れなかった。
(オレもそう思う…)
チラッと頂に目を向ける。鹿島槍ヶ岳の頂はガスに覆われていて見えなかった。
(いったい、あの頂に何があるというのか)
先程から動いている時間より止まっている時間の方が長い。
ジリッと少しだけ体を上に上げる。かなり疲れてはいるが、気を抜くわけにはいかない。
(いったい、オレは何をしているのか)
また、ジリジリッと体を上げる。荒く息を吐く。
(こんなにもしんどい思いをして、危険を冒してまで…)
いつしかオレの体はガスの中へと吸い込まれていった。

雪の鹿島槍を目指そうと思いついたのは去年の11月頃だったと思う。
コツコツと準備を進め、装備を揃え、情報を集めていった。
情報を集めているうちに、後立山連峰の豪雪と強風が想像以上に恐ろしいものであることがわかってきた。
厳冬期ではない3月後半ではあるが、それでもすごいのだろう。
実は恐れをなして、予備で別に計画していた山行を第一候補に変えたこともあった。
しかし、雪を戴いた鹿島槍の魅力は強く、
またトレースのない後立山の深雪に単独で挑んでみたいという思いもあった。

少しずつ装備を揃え、徐々にテンションを高めていったのだが、
突如、そのやる気がなくなってしまった。
3月11日に起こった東日本大震災。
テレビに映し出された映像は非常に衝撃的だった。
やる気がなくなってしまった。いや、山登りなんてしてる場合じゃない、と思った。
しかしその思いとは裏腹にオレは17日の夜、ひっそりと出発した。
うまく表せないが、なんだか義務をこなしにいくような感じだった。

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途中に寄った菩提寺PA。雪がたくさん降っていた。

18日午前1時31分、大町アルペンラインの冬季ゲートに到着。
車内で仮眠をとり、3時半起床、4時22分出発。
暗い車道をヘッドライトの灯りで歩いていく。
天気はいい。よく晴れている。しかし気分はどんよりしたままであった。
6時扇沢に到着予定だったが半時間遅れて6時22分、扇沢登山口に到着。

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出発。

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夜明け前。

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スノーシェード。

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扇沢手前。よく晴れている。

望み通り、トレースはなかった。実はほんの少しだけ、期待していたのだが。
尾根の取り付きはスノーシェードになっているため、脇の沢から入る。
すごい積雪だった。いきなり股まで潜る深雪のラッセル。
なかなか尾根へ上がれない。雪崩が怖い。
ようやく尾根筋まで上がれた時には8時50分になっていた。

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最初、少しだけ見れた樹氷。

尾根に上ると雪崩の恐怖からはだいぶ解放される。
もちろん、絶対大丈夫というわけではないが。
しばし休憩。大町の街が遠くに見えた。

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尾根まで上り、見下ろす。アルペンラインの向こうに大町が見える。

現地点で標高1500メートル程。
幕営予定のジャンクションピークは2300メートル程。
あと標高差800メートル。扇沢からまだ200メートルしか上っていない。
当初、うまくいけばジャンクションピークを越して冷池まで一気に行けるかも、
と考えていたが、この地点でそんな甘い考えは消えてしまった。

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よく晴れていた。

深雪のラッセルは続いた。
(よかったなぁ、チョリオ。望み通りやで)
それほど汗をかかない体質だが、さすがに汗まみれである。
(本当にこんなことがしたかったのか…)
膝まで、股まで、時には腰以上潜る深雪に悪戦苦闘しながら、そう思った。

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おにぎりせんべいに“ソース味”があるとは知らなかった。

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鳴沢岳(右)と赤沢岳(左)だと思う…たぶん。

相変わらず天気は良く、左に木々の間から針木岳を始めとするアルプスの山々が見える。
しかしその眩しい姿もくすんで見えた。
(なにをやっているのか…)
延々と、雪との格闘が続いていた。
疲労はどんどん蓄積され、止まっている時間が長くなる。
(もう、ここでええか)
ソロ・テントを張る場所はどこにでもあった。
(いや、もう少し)
深い雪。ラッセルを交代してくれる者はいない。
猛烈にしんどい。
(ここまで頑張ったんやから、もうええやないか)
と思うのだが、なにか意地を張ったように体を動かす。
のろのろと足を上げ、少しずつ体を持ち上げていった。

ふと、見上げると、青空をトンビが飛んでいるのが見えた。
(いいなぁ…)
あのトンビから見ればオレなんて止まって見えるのだろう。
(それでも、オレは登っている)
登っているのだ。

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高度を上げると、向こうに槍穂高が見え始めた。

15時18分、ようやくジャンクションピークに到着。
実に9時間に及ぶ、ラッセルの連続だった。
木がまばらになり、風が強い。しかしおかげで雪が締まって歩きやすい。
ピークの少し先に風除けになりそうな大木を見つけ、その脇にテントを張った。
テントで落ち着いた後、外に出て夕景の写真を撮った。
素晴らしい光景だったが、相変わらず感動は薄く、磨りガラスを通して景色を見ているようだった。

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八ヶ岳と富士山。

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彼方に南アルプスを望む。

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ジャンクションピーク付近にテントを設営。

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雪紋。向こうに八ヶ岳。

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シュカブラと爺ヶ岳。

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雪紋。

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西側。

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針ノ木岳。

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夕焼け。

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夕日に染まる爺ヶ岳。

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家でフィルムをスキャンしながら思ったこと。
私が撮る程度の写真なら、別に気持ちがどうであれ、美しく写せる、ということ。

テントに戻る。ものすごく疲れていた。
朝、車を出る時にバナナを2本。行動中は「とっておき」と考えているカーボショッツを3本。
それとおにぎりせんべいとチョコレートを少々。
それなのに、食欲は余りなかった。夕食にチキンラーメンを作って食べる。
美味くなかった。
いつもより多めに持ってきていた、大好物なはずのお菓子もなんだか食べたくない。
過労で食欲のなくなった時でも、食べる自信のある“厳選した”食料だったのだが。
持ってきた小説を読み、早々に眠りに就いた。

目を覚ます。風の音。
時間はまだ23時半だった。まだ3時間ほどしか眠っていない。
そのまままた眠りたかったが、小便がしたい。
外に出た。満月で辺りは仄明るい。その光に照らされた針ノ木岳が冷たく聳えていた。
眼下には大町の夜景が見える。
こういう光景も写真に写したいと思って、今回は三脚とマニュアル式の一眼レフカメラも持ってきていた。
しかし写真を撮る意欲は全く湧かない。少しだけ眺めた後、テントに戻った。
眠いはずだが、眠気はなかなかやってこなかった。

19日、朝。アラームをセットしていたはずだが、寝過ごしてしまった。
6時40分起床。外に出る。好天。
逆光に輝く、風で巻き上げられた雪煙。
夜のうちにできた、風に刻まれた雪模様。
そして神々しい山々。
それらを目の当たりにしても興奮は、ない。
ただ黙々とシャッターを押し、風景を切り取る。
寂しい。
この広い雪の中に、ポツンと独りでいることを実感する。

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朝。東方向。風が強く、雪煙が舞っていた。

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爺ヶ岳。

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針ノ木岳。

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テントに戻る。食欲はない。コーヒーだけ飲む。
(帰ろうか…)
そんな考えが頭をよぎる。
今し方見た爺ヶ岳。その奥にあるはずの鹿島槍ヶ岳を想う。
テントを撤収し、8時1分に出発した。

歩き始め、木の生えている所はよく潜る。
ワカンを着ければ良かったかな、と思う。
そのうち樹林帯を完全に抜けた。
爺ヶ岳の直登が始まった。
雪が締まってアイゼンが良く効く。ただし所々雪が風に飛ばされて地面がむき出しの所もある。
ラッセルはしなくてよくなったが、今度は風との格闘が始まった。
風は高度を上げるにつれ、どんどん強くなっていった。

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雪紋。

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木の側の、大きな雪穴にはまってしまう。

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もうすぐ爺ヶ岳の登り。

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樹林帯を抜けると凄い風と雪煙。まだまだ序の口、写真を撮っているので余裕があるのが分かる。

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爺ヶ岳の登り。

爺ヶ岳南峰に到着したのが9時25分。
樹林帯を抜けて直登1時間。ジャンクションピークの幕営地から1時間半。
疲れているわりにはいいペースだ。
鹿島槍ヶ岳が見えた。剱岳も見える。
風が強いので休憩できない。そのまま鞍部に下ると朽ちた看板があり、それを風除けにして休憩した。

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剱岳。左下に赤い屋根の種池山荘が見える。

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爺ヶ岳南峰から見た中峰(右)と北峰(左)。

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鹿島槍ヶ岳。

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槍ヶ岳。

爺ヶ岳の本峰(中峰)に到着が10時40分。
ここからはほとんど下りばかりなので早いだろうと考えていたが、
予想以上にしんどかった。
特に爺ヶ岳北峰を過ぎて冷池山荘が見えてからはなかなか進まない。
樹林帯が再び現れ、強風と引き替えにラッセルを強いられる。
12時40分、やっとの思いで冷池山荘に到着した。

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爺ヶ岳中峰到着。

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頸城山塊。

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鹿島槍ヶ岳。稜線の中程に冷池山荘が見える。

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ようやく冷池山荘が近づいてきた。が、ここからでもずいぶん時間が掛かった。

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冷池山荘手前で雷鳥を見かけた。

冬季避難小屋に入り、一息入れる。
そして考えた。
(鹿島槍に登頂するには今が最後のチャンスかもしれない)
二日間、好天が続いていた。
明日は天気が崩れる可能性が大である。
ん、行こうか…。
要らない荷物を置いておき、カーボショッツを飲んで出発した。

〜つづく〜

22

2011年4月 1日 (金)

大普賢岳 2011年3月8日

大普賢岳は思い出深い山である。
2000年1月30日、初めての雪山で登った山だ。
もう11年も前。その山に、お礼の気持ちで今回、義弟のサクライと登ることにした。

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11年前。とてもじゃないが雪山へ向かうようには見えない。車は懐かしのワゴンRだ。

前日の7日夜、サクライと合流、王将でメシを食っていた。
「サクライ、前の大普賢作戦、憶えているか」
「ハッ、憶えておりまする。」
「どんなだった」
「…まあ…あまりしんどくなかったかと…」
「うん。確かにな。オレもそんなに苦労した憶えはない。ただ、今回はキツいかもしれん」
今年は雪が多いこと、昨日今日新雪が積もっていること、それが今までの硬い雪に積もっていること。
「念のためにこれを着けておけ」
彼に長短のスリング2本とカラビナ2枚を渡した。

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行く途中。雪が降っている。

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和佐又ヒュッテへいく林道でチェーンを巻く。

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11年前。同じチェーンを使っている…もう交換しないと。

「押せぇ!サクライィ!」
「イケません!推進力低下!」
「出力全開、取り舵!」
「ダメです…どうしても…左のわだちに…」
オレとサクライは登山をする前から大変な目に遭っていた。
アトレー号はもっさり積もった雪を乗り越えることができない。
サクライを降ろして押してもらうもチェーンが火花を散らすばかりでタイヤは空転し、どうしても前へ進めない。
「しゃあない。ここらで駐車して寝よ」
我々は和佐又ヒュッテまで車で上るのを諦め、車中で仮眠をとった。

8日、4時半起床、朝食・準備を済ませて5時32分、出発。
和佐又ヒュッテには10分程で着いた。
しばらく歩いて6時11分、和佐又のコルに到着、少し休憩。

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出発。

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和佐又山付近。

6時58分、シタンノ窟を通過し、日本岳の険しい岩壁の脇をトラバースして進む。
朝日窟で休憩を入れて、笙の窟に着いたのが7時42分。ここまでは順調である。

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シタンノ窟より先のトラバース。

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朝日窟にて。

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笙ノ窟にて。

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11年前、笙ノ窟での二人。サクライはオレのカメラと三脚を持たされている。

笙ノ窟を過ぎると、積雪量がぐっと増した。
ハシゴも出てくる。いや、ハシゴが埋まっていなくてラッキーだった。

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サクライは久々のラッセル。楽しいか?

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日本岳のコル到着8時15分。この辺りから霧氷が出始めた。

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11年前、恐らく日本岳のコル付近。

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11年前、この時のカメラはニコンF3、マニュアルカメラだ。面倒すぎて今では考えられない。

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高度を上げていくにつれ、積雪量がさらに増してくる。
石ノ鼻到着8時34分。見晴らしの良い所だが、ガスで展望はなかった。

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小普賢岳を越え、大普賢岳とのコルに下り立ったのが9時23分。
ガスに覆われた大普賢岳が我々の眼前に迫る。
なかなかの迫力である。さあ、ここからが本番、
「行くぞ、サクライ!」
「ハッ!」

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我々の眼前に立ちはだかる大普賢岳。

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(どうもおかしい…)
たまにあったピンク色の目印テープを長いこと見ていない。
(それにトラバースが長すぎる)
基本的に尾根づたいのはずなのだが、なかなか尾根へ上がれない。
(戻るか…)
いや、あそこから登れそうだ。そこをトラバースしてあそこを登ろう。

・・・これはもう、これまでに幾度となく失敗してきたことである。
“間違えたと気付いたら戻る”
この鉄則を知っていながらまた同じ過ちを犯してしまった。

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やはりルートミスだった。

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事前に渡しておいたカラビナとスリングが役に立った。

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尾根へ直登。

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サクライ、はよ登ってこい。

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キツイっス!

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頂上はまだ遠い…

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尾根へ到達。小普賢岳を振り返る。向こうには青空が…!

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ラッセルはまだまだ続く。

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「こっからお前トップな」「押忍!」

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「…」

「報告します!前方に看板らしきもの、発見!」
「GPS確認中…頂上まで直線距離、約50!」
11時47分、オレとサクライは大普賢岳の頂上を踏んだ。

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登頂!抱き合って健闘をたたえ合った。

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サクライ、喜びの舞い。

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オレも負けていられない。

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サクライにバンダナショットを撮ってもらった。

登頂後、記念撮影を済ませ、テントを張った。
ツェルト代わりに雪山にいつも持ってきているソロ・テントだ。
中に入ってコンロに火を点けるとすごく暖かい。
湯を沸かして昼食のカップラーメンを食べる。
やはり雪山で食べるカップラーメンは格別にうまい。
実を言うと、今回、もし楽に登頂できたら国見岳〜七曜岳の周回コースを行ってみようと考えていた。
2週間ほど前に行った山上ヶ岳〜稲村ヶ岳がわりと簡単に行けたからである。
しかし、無論、そんな気はなくなっていた。
“もう、お腹いっぱい、ごっつぁんです”てな案配である。

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テントを張って…

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中で休憩。

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雪山の山頂でのラーメンはいつも格別。

しばらくすると明るくなってきた。
外に出ると青空が広がっている。
周囲の山々が見える。
二人で雪の大峰の、大展望を愉しむ。
サクライは大普賢岳は2度目だ。2000年以来である。
前回はガスで展望がなかったので、今回初めて。感動しきりである。
オレも雪山の展望は随分、見慣れてはいるものの、やはり二人して苦労して登った分、感動は大きかった。

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晴れてきた!

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奥駆道の先、弥山・八経方面。

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見事な霧氷の斜面。

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やはり霧氷には青空。

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11年前。積雪量が全然違う。

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イワタニのガスコンロと飯盒を使っている。

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この時のカップヌードルは…心底うまかった。

たっぷり1時間半以上頂上を堪能し、13時28分下山開始。

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「コレ、なんの足跡っスかね?」「こらお前、やっぱり、く、くまさんちゃうか…」

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「ああ〜!イイっス!」

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下りはルートミスしないように慎重に…埋まってるし。

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慎重に…埋まってるし。

ハシゴや鎖はことごとく雪で埋まっていた。
ここでもカラビナとスリングが大いに役立った。

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いやぁ、手強いっス。

下っていくと、登る時にルートミスをした箇所に出た。
大きな岩がある所だった。我々はその岩の右側をトラバースして進んだのだが、
本当は左側の雪の急斜面を登るのが正解だった。
「ああ、コレを登れば良かったんか。しかし分かりにくいな」
右側のトラバースは“いかにも登山道”という感じである。
「こんな分かりにくい箇所なら目印があるはずだが…」
よく探すと、やはり目印はあった。
ピンク色のテープが木に巻き付いて霧氷に覆われていた。
「ああ、ここにあったんスね、気付きませんでした…」
“キャッサバー・アイ”を持つ、視力に絶対の自信有りのサクライはしきりに悔しがっていた。
彼は最近、視力が落ちたと嘆いている。
「ほんで今の視力なんぼなん?」
「1.5っス」
「…十分やん」
「いやぁ、見えにくいっス」
なんにせよ、今回のルートミスはもちろん、私のせいである。
目印が見えにくかったもなにも、目印に頼っていること自体、まだまだ甘いということである。
無事に通過できてよかった。

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小普賢岳との鞍部に到着。大普賢岳を望む。登る時に比べると、ずいぶん穏やかな表情に見えた。

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小普賢岳を登り返した直後。これがけっこうキツかった。

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霧氷もそろそろ見納め。

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石ノ鼻15時32分。登りの時とは違い、景色が見渡せた。

この先、もう難所はない。日本岳のコル15時52分、笙ノ窟16時10分。
ゆったりとした気分で下山した。
特にシタンの窟を過ぎてからは雪も深くない。
辺りはブナの大木。風はなく、気温も少し涼しいくらい。
夕暮れの中、なんとなくノスタルジックな、言いようのない良い雰囲気。
下りてしまうのがもったいないような気分だった。
サクライも似たような気分だったのだろう。
我々は急ぐことなく、いや、さらにゆったりと下った。

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夕暮れの中、ゆっくり下った。

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「コレ、何スかね?」「え?ええっ!こらお前、く、くまさんの爪跡ちゃうか」
「登る時はなかったっスよね」「…そうだね」

和佐又のコル17時03分。

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和佐又ヒュッテ付近より。大普賢岳が少し見えた。感謝の気持ちでそれを眺めた。

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すっかり暮れて、いい雰囲気。

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見覚えのある巨木。

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無事下山。17時47分。

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いつものラーメン屋で夕食。疲れた…

今回の大普賢岳は本格的な雪山だった。
トレースもなく、雪も多かった。
11年前の時は、積雪量が少なく、ルートも分かりやすく
“登らせてもらった”登山だったと、今にして思う。
前回、今回と目一杯楽しませてくれてありがとう、大普賢さん。

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