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2011年1月15日 (土)

八ヶ岳(赤岳・硫黄岳)〈2〉2011年1月9日〜10日

目が覚めた。
まだ真っ暗だ。しかし、ぐっすり眠った感じはあった。
(何時やろか…3時くらいかな)時計を見る。

23時。

(な・なんやて〜!?)
まだ眠りに就いて1時間半しか経ってなかった。
(さ・寒い…)
とりあえずコンロに火をつけ、暖まる。コーヒーを沸かして飲んだ。
外は雪が降り続いていた。
少し、身体が温もったところで、再び寝袋に入る。

ね・眠れねぇ…

なんだか眠気がとんでしまった。それに、寒い…
かくして私は夜の11時から朝の5時まで、極寒のテントの中で悶々と過ごすハメになった。
あまり退屈なのでiPodを取り出して音楽を聴いていた。
途中、音楽を聴いた記憶がないところは、おそらく眠っていたのだろう。

翌5時。
ケータイのアラームが鳴る。
隣のテントでは、ふるぽんが起きたようだ。
もし、晴れたら、ふるぽんと二人で硫黄岳を往復しよう、と言っていた。
そして、外は…見事に晴れていた。
しかし、私の中で、心配事が一つ。
それは昨晩、雪が降って、トレースがなくなっているのでは、ということだった。
明るくて、時間もあるのなら別に構わないのだが、
暗い中、あまり時間がないのでは、少々リスキーである。

「チョリオさん、どうします?硫黄岳、行きます?」ふるぽんがテント越しに声を掛けてきた。
「…やめとこ。明るくなってどっか撮影に行こう」
「…そうですか…じゃ、ボク、またちょっと寝ますね…」
中山展望台にでも行こうか、と地図を広げて眺める。
しかし、意に反して、私の目は硫黄岳のコースを見ていた。
(硫黄岳まで2時間10分か)勿論、無雪期の場合は、である。
(赤岩の頭までなら2時間弱、トレースが残っていればもうちょい早く登れるかも…)
「…ふるぽん」
「…なんですか?」
「やっぱ、硫黄岳、行ってみるか」
「チョリオさんが行くと言うのなら」
彼の声はちょっと嬉しそうだった。

出発は6時20分頃だった。
本当なら4時半くらいに出て、頂上で日の出を拝む予定だったので、ずいぶん遅い出発だ。
先程、起きている気配のあったShigeoさんのテントは、静かになっていた。
どうやらまた寝入ったらしい。
暗い中、ヘッドライトの灯りで進む。トレースは残っていた。
しばらく歩いていると徐々に明るくなってきた。
まだ陽は出ていないが、辺りの霧氷は見事である。

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赤岳が顔を出した。

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(ふるぽん写)

樹林の間から、時折赤岳や横岳、権現岳が見えた。
雲が紅に染まり、素晴らしい朝の光景だ。
しかし、残念ながら気が邪魔で、いい撮影ポイントがない。
「ゆっくり写真撮りましょう、ボク、基本的に写真小僧なんで。」とふるぽん。
私は言葉に甘えて所々で足を止めて写真を撮った。
実を言うと、結構疲れていて休みたかったのである…

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横岳稜線に雪煙が舞っている。

行く手に目指す硫黄岳が見えた。
(おお…)
ずいぶん派手に雪煙が上がっている。
(えらい風のようやな)
風が強いのは分かっていることである。が、それにしても、ずいぶんハデに吹いているようだ。

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派手に雪煙の舞う硫黄岳。

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「さー!行きましょー!!」「え…?う、うん」

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森林限界を超え、展望が開けた。
「おお〜!ぜっけー!!」
ここぞと写真を撮る二人。私のカメラは早くもバッテリーが切れてしまった。

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横岳。

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赤岳。

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赤岩の頭直下、私が写真を撮っている間に雪庇を崩して道を作ってくれていた。
稜線に出た。
風が強い。が、思ったほどではなかった。
目前に硫黄岳が見える。
頂上直下はちょっと岩場もある。
「チョリオさん…」
「ん、まあ、行けるとこまで行ってみよ」
我々は頂上に向かって歩き始めた。

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カッチョイイぞ、ふるぽんクン!

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もう一丁!

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さらに雪庇を崩す雄姿!

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稜線に出た。アンダー気味にして雪の質感を出してみた。

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ちょうど太陽が顔を出した。

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稜線にはシュカブラができていた。

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頂上まであと少し。

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頂上直下の岩場。

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(ふるぽん写)

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着いた!!(ふるぽん写)

ひょっとしたら頂上まで登れないかもしれない、と思っていたが、割と楽に登って来られた。
風は強いが、登頂した喜びと見渡す限りの大展望に我々は有頂天だった。
ちょうど夏沢峠から登ってきたパーティーがいて、写真を撮ってもらう。
ただし、残念ながら写っていなかったが…

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これは頂上直下で写しておいた記念撮影。

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(ふるぽん写)

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オッサンの私を置いてけぼりにしてサッサと下りてしまうふるぽん。

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同上。

赤岩の頭直下の、風の弱いところまで下りてきた。
ここまで来れば一安心。ふるぽんにテルモスのお湯をもらい、タバコを一服。
そこからは綺麗な霧氷を見ながらの、楽な下りだった。

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しばらく霧氷の写真が続きます。

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「最高ッス〜!」

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赤岳鉱泉に下りてきた。

テン場に戻ると、すでにShigeoさんとChikaさんは出発準備を済ませていた。
どうやらずいぶん待たせてしまったらしい…すんません…
美濃戸山荘まで先に行ってるから、ゆっくり下りといでや、とおっしゃって二人は先に出発した。
美濃戸山荘で合流し、Shigeoさんの車に乗せてもらって美濃戸口へ。
私の車は美濃戸口に停めてある。いやあ、来た時と比べるとずいぶん楽だ。当たり前だが…

もみの湯に立ち寄り、お湯に浸かると魂が抜け出しそうなくらい気持ちいい。
(こりゃぁ、ええわ…寝てしまいそう…)忘れていたが、私はきっと寝不足だった。
温泉の後は昼食を食べに行った。Shigeoさんは特上のうな重を注文。
シブるChikaさんに「還暦祝いや、ええやろ!」と。
Chikaさんは「居酒屋みたいな注文していい?」と小皿をいくつか注文していた。
私の席だけやたら日当たりが良く、ポカポカしてますます眠くなってきた。
(はぁ〜ええなぁ、こんな時間がもっと続けばええのに…)
しかし。お店を出たら私は独り。3人に別れを告げ、ボケた頭に渇を入れ、窓を全開にして大阪へと向かった。

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Shigeoさんと“特上”うな重。

そういえば。ふるぽんとはクライミングジムに行ったり、山岳会の例会で一緒だったことはあったが、
ちゃんと山に登ったのは初めてだった。硫黄岳、楽しかった。ありがとう。
ShigeoさんとChikaさんには…少々申し訳なかったです(私は十分楽しかったですけど…)
あんな天気になってしまって…ついでに9日に八ヶ岳にいた皆さんにも謝っておこう、

雨男でゴメン!!

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コメント

素晴らしく綺麗な霧氷ですね。
硫黄岳登頂おめでとう
お天気も良かったみたいで最後は晴れ男に( ^ω^)おっおっおっ

kosiziさん、コメントありがとうございます!
>素晴らしく綺麗な霧氷ですね。
ええ、最高でした!

>お天気も良かったみたいで最後は晴れ男に
これだけ見られたら雨男の私としては上出来です。

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