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2010年10月14日 (木)

ノジュカーズ和歌山へ 10年10月6日

ぶるる(注1)。 ついにあの男が復活する。 公の場なので名前は伏せるが、仮にケンイチ(本名)としておこう。 かつて全盛を誇った、阿倍野ノジュカーズ。 その隊長を務めていた男である。 ノジュカーズのことは、ほんの少しだけ、このブログにも書いた。 そして今、“大人のノジュカーズ”として何度か活動をしている。 が、かつてのメンバーももうええオッサン・オバハンであり、無茶なことはしない。 私が、唯独り、「我こそはノジュカーズ」とテントを担いで山に登っているくらいである。 1ヶ月ほど前、本当に久しぶりで隊長と会った。 ちょうど私は義弟のユンオと一緒だったので、3人で喫茶店に入り、近況などを話し合った。 「久しぶりに、どっか行くか?」 言い出したのは私だったと思う。ユンオが和歌山にいい海がある、と言い、話しはすぐにまとまった。 すぐにもう一人の義弟、サクライにも連絡、 ついでにペットのチョタローも誘ったが、彼は作戦直前に逃亡してしまった。勘のいいヤツである。 隊長にとっては久々の作戦とあって、やる気満々のようである。 「車はどうする?」「メシは向こうで作るのか?」「海パン持っていく?」などいろいろ質問をしてくる。 私は「メシは…んん…まあ、任すわ」と適当に返事。 「そうか、じゃ、かにうどんでもつくるか」 出た。 かにうどん。 かつて沖縄壱号作戦で隊長が作った(彼は料理隊長でもある)伝説の料理。 いや、もはやとても料理とは言えないシロモノだった。 私はギギギ(注2)言わされるかもしれんな、と覚悟した。 10月5日、夜。 まず私と隊長が待ち合わせ。 彼は「カツオを釣るのだ」と巨大な剛竿とバカでかい荷物を引っさげて現れた。 かなりのインパクト、さすがは隊長、のっけからやってくれる。 R1022553101006 ゴツい釣り竿と隊長。インパクト大。 サクライとユンオとも合流、いざ、和歌山へ。 22時半頃に到着し、私とユンオは早速釣りを始めた。 隊長はテントを組み立て、サクライは焚き火用の薪を探しに行った。 R1022561101006 今回の野宿処。単なる防波堤。 R1022564101006 釣れたのはネンブツダイ。ユンオ曰く煮ても焼いても美味くない、外道中の外道。 R1022565101006 火を起こす。やはり野宿に焚き火は必要だ。直にはさすがに起こせないので、七輪を使っている。 あまり釣れない… 一番熱心だったユンオもやる気が失せたようである。 海の上なので風が強く、結構寒い。自然と火に集まってくる。 かくして火を囲んでの宴会モードへと突入。 緩やかに流れる時間。 ぽつぽつと話しをする。 でも、話しがなくても、別にいい。 寝そべって夜空を見ると満天の星。 こうやってぼけぼけする(注3)のが野宿の楽しみの真髄であるように思う。 R1022583101006 隊長がホタテを大量に持ってきてくれた。野趣溢れる美味さだ。 R1022585101006 火を囲んでぼけぼけする。次第に夜が更けていった。 翌朝。目を覚ますとテントにはすでに誰もおらず、一番最後の起床だった。 外に出ると快晴。暑いくらいである。 いや、私は車に積みっぱなしの防寒着を着込んでいたので、実際すごく暑かった。 ユンオが「イカがいっぱい泳いでいる」というので海をのぞき込む。 きれいな海である。 緑がかった青。沖縄の海みたいだ。 小さなアオリイカが何匹が見える。 私は昨晩、一つだけ買っておいた疑似餌を使い、イカ釣りを始めたが、 イカは寄ってくるどころか逃げてしまって全然釣れない。 早々にイカを諦め、仕掛けを換えて落とし込み釣りを始めた。 エサは隊長が持ってきたサンマの頭。彼は本気でカツオを釣ろうと考えていたらしい。 R1022588101006 青い空と青い海。これだけでも十分。 R1022590101006 朝の隊長。今、ふとハマムラに似ているな、と思った。誰も知らんか… テトラの間にエサを落とし込むとすぐにアタリがきた。 釣れたのはカサゴ。何匹か釣れた。ユンオも結構釣り上げている。 しばらく釣りに興じていたが、釣れなくなり、飽きてきた。 そろそろ撤収するか、ということになり、荷物をまとめて車へ。 R1022592101006 R1022593101006 R1022600101006 ネンブツダイ。 R1022607101006 隊長。なにか絵になる男である。 R1022613101006 けっこう楽しめた。 R1022616101006 撤収。 車でユンオおすすめのスポットへ移動する。 まず向かったのは白い岩が印象的な奇岩スポットである。 R1022707101006 案内役はユンオ。この辺りには度々訪れているらしい。 R1022629101006 思わず、おお、と声を上げてしまう奇岩がいっぱい。 しばらく行くと公園のようなところがあったので入ってみた。 階段があり、登ってみると… 絶景が待っていた。 心地よい風。 白と青のコントラスト。 ただ、潮騒の音だけが… というわけにはいかなかった。 ちょうど幼稚園の遠足で園児達に囲まれての見物となった。 R1022635101006 いい景色だったが… R1022637101006 すでに園児達に占領されていた。 R1022640101006 ちなみに同い年な。 再び車で移動。 よさそうな所で駐車し、浜へ向かう。 すでに10月だが、この日は随分暖かかった。 「泳ごかな…」 かつての沖縄壱号作戦で、私は隊長に訊いたことがあった。 「なあ、泳げるかなあ」 沖縄といっても2月である。かなり寒い。 「泳げる、泳げない、ではない。泳ぐか泳がないか、だ。オレは泳ぐよ。」 隊長はキッパリ言った。 つまり泳ぐのは自分の意志である、と。 “精神力で打破せよ”(注4)とは私の好きな、隊長の名言である。 私が火を起こしている間にユンオとサクライが海へ向かった。 しかしやはり寒いのか躊躇している様子。 それでも海に浸かり、戻ってきて火に当たった。 私も海へ。 思った以上に気持ちいい。 しかし陸へ上がると風が冷たい。 やはり急いで火に当たる。 R1022645101006 ユンオ。ちなみに海パンを持ってきたのは彼一人だけ。 R1022647101006 戻って火に当たる。 R1022651101006 私も海へ。 R1022657101006 この二人は普通のパンツ。 海で泳いだ後は昼飯。 昨晩のホタテを焼き、隊長がヤキソバを作ってくれた。 どんなん食わされるかと思っていたが、すごく美味い。 「隊長、やればできるやん!」と言うと、 「いや、あの時はいつも酔っぱらっていたから…」 彼は大好きだったお酒を、もうずいぶん前から飲まなくなったらしい。 R1022664101006 ホタテを焼くサクライ。原住民のようだ。 R1022670101006 R1022671101006 爆笑中のユンオ。酒を飲まなくたって隊長の話は面白い。 R1022676101006 隊長もご機嫌。 R1022679101006 焼きそば、おいしかった。 腹を満たして、辺りを散策する。 ちょっとした岩場で食べられそうな貝がいっぱいいたので、 貝を岩から引き剥がす金具を探しに一旦戻る。 しかし戻ってしまうともう面倒くさくなって、全員昼寝してしまった。 R1022700101006 散策に向かうサクライ。 R1022743101006 昼寝中のユンオ。随分潮が満ちてきている。 R1022747101006 足に波がかかり、驚いてようやく起きた。 R1022754101006 またしばらくぼけぼけする。 R1022756101006 べつに何もしなくても、それはそれで愉しい。 昼寝後、しばらくぼけぼけしていた。 もう夕方である。ユンオが、「もっかい、ちょっとだけ、釣りせんか?」と言ってきた。 正直、面倒くさかったが、まあ、折角やし、という気持ちもあり、再び釣りを始めた。 防波堤へ行き、落とし込み釣りをする。 ユンオが釣れるポイントを見つけたらしく、何匹か釣り上げた。 プライドなど持たない私も同じ所にエサを落とす。釣れた。 そのポイントにはかなりの数の魚が棲んでいるらしく、一時、入れ食い状態に。 上機嫌のユンオは「SフィールドにMSを集中させい!」と分かる人にしか分からない台詞で笑わせる。 そんなSフィールドも全く釣れなくなった。 ちょうど頃合いである。納竿して車へ向かった。 R1022761101006 “Sフィールド”での獲物。 R1022765101006 納竿して車へ向かう。 車に乗って、帰りしな。 夕焼けがきれいだろう、と日没の見えそうな所を探すが、見晴らしの良い所に出た時には日が沈んだ後だった。 それでも心地よい風に当たりながら、みんなでしばらく海を眺めた。 私はふと、以前にもこういうことがあったな、と思った。 どこだったろうか。やはり沖縄か。 しかし以前の私なら、こんなにきれいな夕景の時には写真撮影に夢中だったはず。 落ち着いてゆったりなんかしていなかったと思う。 しかし、きれいだ。 私はこれほど気持ちが晴れ晴れするのは、なんだか実に久しぶりのような気がした。 もちろんそれは錯覚なのだが。 ユンオは…ユンオもなんだかしんみりしたような表情で海を見ている。 サクライは、コイツは相変わらずマイペースで、車の中で欠伸をしている。 隊長は…意外にもにこやかに笑っていた。たぶん腹が減って不機嫌やろうな、と思っていたのだが。 みんな変わったと思う。自分も変わっていないつもりでも、やはり変わっているのだ。 それでも、またこうして同じ楽しみを分かち合えたのが嬉しかった。 特に隊長、今日はありがとうな、と心の中でつぶやく。 しかしやはり彼は相当腹が減っていたらしく、コンビニで一人、カップの天そばを食っていた。 R1022771101006 注1:ぶるる=身震いする様子。寒い時よりも恐ろしい時、主に使われる。 注2:ギギギ=名作「はだしのゲン」に出てくる。非常に苦しい時に漏れる声。 注3:ぼけぼけする=ぼーっとすること。 注4:精神力で打破せよ=隊長のよく使う言葉。彼はことあるごとにこの言葉を使う。私も好きで、雪山などでよく思い出した。

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コメント

んん。
名文や。

楽しかったな。
これから、ますます付き合いは
悪くなると思うが
また行けたらいいな。


「兄上も、ずいぶんお甘いようで・・・」

ゴールデンスランバーさん、コメントありがとう。
>また行けたらいいな。
ああ、また行こう。

>「兄上も、ずいぶんお甘いようで・・・」
ん?や・やられるのか?オレ?
…また人にはわからん台詞を…

隊長おおお!!お元気そうで何よりです。
/   \
 マ

 ラ
こうでしたっけ?AA職人ではないのでこれが限界ですが…(^-^;
久しぶりにコアなのじゅかーずを拝見しました。
これが本来の姿ですね(笑)
いい所だな~。ぜひ今度は参加したいです!

たまきさん、コメントありがとう!
ハマムラ知ってたか!?
あの広告はインパクトでかいからな。行ったことないけど。
そもそもなんの店だ?中華料理店?

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