前鬼川 10年8月24日
7月末に囲炉裏のオフで前鬼川に行ってからというもの、私はなんとかあの素晴らしい光景をフィルムカメラで撮影したいと考えていた。(いっそ独りで行ってしまおうか…)とも、実は考えていたのだが、沢が危ないのはバカな私でも分かる。その危険度、怪我をする確率は恐らく雪山や夏の岩稜以上だと思う。そうして悶々としている時にちょうど同じ囲炉裏仲間のじゅんさんが、お声を掛けて下さった。なんとラッキー!じゅんさんの気が変わらないうちに日程を決めてしまった。
そうして8月23日、夜9時に天王寺で待ち合わせ、前鬼川の駐車場に0時頃到着した。少し話しをした後、私は車内、じゅんさんは私の抱きつき癖を見通したのか、外にマットを敷いて就寝。24日4時30分起床。まだ暗かったが、朝食・準備を済ませて5時40分、出発。この頃には十分、明るくなっていた。
出発!
前回は大人数だったが、今回は二人だけ、進むスピードも早い。出発して半時間後の6時15分には最初の二段10m滝に到着した。相変わらず、水の色が素晴らしい。今回は「じっくりと写真撮影しよう」と二人で言い合っていたおり、もちろん、ここで撮影開始。
じゅんさん。
私。すでに夢中。(じゅんさん写)
二段10m滝。
このコバルトブルーがたまらない。
二段10m滝をバックに記念撮影。もちろん、いつものノーファインダー。相変わらず上手いなあ、オレ。
水の景色もいいけど、森もいい。ちっとも前に進まない…〈クリックすると拡大します。〉
7時30分頃、早くも今回の目玉とも言える光景に出くわした。陽が昇って気温が上昇し、冷たい水との温度差で川霧が発生したのである。
辺りをガスが取り巻き、幻想的な光景に…
霧に陽が差す…
なんとも神々しい光景。
じゅんさんも実に神々しい。
素晴らしい光景に出会え、私は一気に有頂天。さあ、じゅんさん、どんどん行きましょー!と遡行を始めるも、ものの5分もしないうちに箱状廊下に到着。じゅんさん、すいません…また撮影、ええっスか…?
箱状廊下。
箱状廊下から湧き水帯を過ぎると、霧がなくなった。おそらく湧き水より上流は水温が高いからだろう。水に浸かっているとはっきりぬるくなるのが分かった。そして水の色も青から緑へ。前鬼川は一粒で二度おいしい。
8時40分、垢離取場に到着。
8時55分、前回のオフで昼食を摂った場所に到着。この先は私は初めて。じゅんさんは以前行ったことがあるそうだ。
まだまだ絶景が続く。(じゅんさん写)
なにやらいかつい難所チックな場所に到着。
ここでバンダナショット。
もちろん、撮影休止。
今回、ヒキガエルがすごく多かった。
ルートを探るじゅんさん。
10時55分、標高約800m地点に到着。ここまで数々の絶景を見せてくれていた沢も伏流になり、辺りは岩がゴツゴツの景観が広がっている。ここで行動食を摂りながら、二人でこれから先のことを話し合う。私はてっきり沢をそのまま戻るのかと思い、下りのことを考えてケルンをたてたり、木の枝を置いて目印にしたりしていた。これは帰りはロープ大活躍やなあ、と思っていたが、じゅんさんは南の支流から南西に延びる尾根に上がり、登山道に登り着くルートを提案。こちらの方が絶対安全なので、私ももちろん賛成。だが、私の持ってきた地形図にはそこまで載っていない。5万分の1の登山地図も持っていたが、これは大まか過ぎて使い物にならない。自分の浅はかさに反省である。
支沢に沿ってトラバース気味に進む。かなりの急登。沢靴だし歩きにくい。先程までの涼しい沢とはうって変わって汗だくで高度を上げていく。標高1100mくらいから尾根になり、登りも緩やかになって歩きやすくなった。
尾根を目指して急登を進む。
途中にあった大きなブナ。
そういえば、沢の途中で私の愛用のデジカメが故障。動作に問題はないものの、液晶画面が割れて2/3程が真っ黒に。撮影しにくいことこの上なし。(特にマクロ)
緩やかな尾根に出た。
尾根は緩やかに西に向かいながら、標高1230m辺りで奥駆道と交わった。13時12分。やれやれ。ここからは整備された歩きやすい道だ。登山道をどんどん下り、14時15分、標高900mの小中坊の林道出合に到着。このまま林道を下れば駐車場に着くが、なんだかもう少し、この二人での冒険を続けたかった私は垢離取場へ向かう道を提案。じゅんさんも賛同してくれた。
わりと歩きやすい道を登って下りて15時20分、垢離取場に戻ってきた。そして沢沿いに進んで三重滝へは15時45分到着。ん?これが三重滝?なんとなく違和感を感じたが、もう時間がない。つーかクタクタだ。それでもここからは1時間もかからないだろう。
湧き水。
ヘビの子どもゲット。(即リリース)
1時間もかからんやろ、と考えたのは大甘で、巻き道を行くか、沢を行くかとルートファインディングしながらの下りは結構時間がかかる。前回下った時も一応、自分でルートを選択しながら下りたつもりだったが、実際は主催者のpiccoloさん随分頼ったものだったということが、今回よく分かった。2段10m滝上流の渡渉地点で初めてロープを使用。なくても渡れただろうが、この時私は、なんとなくいやな感じがした。じゅんさんも気持ち悪いなあとおっしゃるので、ためらわずロープを出した。沢に限らず、山ではこういう“感”は大事だと思う。
ようやく17時20分、駐車場に到着。三重滝から結局1時間半かかってしまった。行動時間、実に11時間40分の大冒険でした。
駐車場に到着〜
帰りの運転で、今回は雨も降らず、さすがは晴れ男じゅんさんやなあ、とか言っていると帳尻を合わすかのようにドシャ降りの夕立が降ってきた。さすがに私は雨男。帰りに温泉、と考えていたが、あいにく上北山温泉は定休日。杉の井ホテルの日帰り温泉は昼過ぎまでで、結局風呂には浸からずに帰宅した。
単独以外の山行で今回ほどじっくり撮影できたのは久しぶりである。わがままに付き合っていただいたじゅんさんには感謝感激雨あられである。すごく楽しかったです。本当にありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。
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チョリオさん、こんにちは~♪
こちらこそ度々手を差しのべて頂き助かりました(o^-^o)
写真好きな2人だからこうしてゆっくり写せた沢ですね
一度こうした遡行をしたかったのですが機会に恵まれず・・
霧発生したところの河面の写真似たアングルで写してたんだ
それと垢離取場よりも上部の私がお勧めのところ
以前行った時よりも明るく雰囲気が違っていましたが
水面に瑠璃色を写し取るなんて上手く考えましたね
いろいろお世話になりありがとうございました
また機会あれば紅葉の時期に訪れたいですが如何でしょう?
投稿: じゅん | 2010年9月 7日 (火) 11時33分
ハードな行動だった様ですが
森の精、水の精、光の精にたっぷり遊んで頂きましたね。
お二人の笑顔素敵です。
投稿: うね | 2010年9月 7日 (火) 18時13分
じゅんさん、コメントありがとうございます!
>霧発生したところの河面の写真似たアングルで写してたんだ
ですよね。私もじゅんさんの写真を見て思いました。
川面の模様がいい感じでしたよね。
ただ、私はISO100のフィルムで暗いレンズだったので、
シャッタースピードが遅く、ブレているんです。
やはり開放値の明るいレンズを持っていけばよかった…
>水面に瑠璃色を写し取るなんて上手く考えましたね
いや、場所は別にどこでもよかったんですが、
ああいうのを撮ろうと最初から考えていたんです。
たまたまあの場所が明るく、シャッタースピードが稼げたので
写してみました。
>いろいろお世話になりありがとうございました
いやもう、こちらこそ。本当にお世話になりました。
>また機会あれば紅葉の時期に訪れたいですが如何でしょう?
行きましょう行きましょう!是非!
投稿: チョリオ | 2010年9月 7日 (火) 18時14分
うねさん、コメントありがとうございます!
>ハードな行動だった様ですが
>森の精、水の精、光の精にたっぷり遊んで頂きましたね。
結構疲れましたが、私にはちょうどいい位の心地よい疲れでした。それに見事な景観で疲れも忘れるほどでしたよ!
本当に充実した1日でした。
投稿: チョリオ | 2010年9月 7日 (火) 18時17分
コバルトブルーの素晴らしい清流ですね~。
山よりも沢にはまった感じですねで?
えぇ顔してます(v^ー゜)ヤッタネ!!
投稿: kosizi | 2010年9月 8日 (水) 20時13分
kosiziさん、毎度コメントありがとうございます。
>山よりも沢にはまった感じですね?
沢登り、以前から興味あったんですけどね。
やってみたら案の定楽しいですわ。
投稿: チョリオ | 2010年9月 9日 (木) 23時24分